過去の成功パターンが通用しなくなった理由。

 

先日、ある建売業者さんと話をしたときのこと。
 
その業者さんは、年間150棟程度の分譲をしている
建売会社さん。一時取得用の戸建てを中心に順調
に棟数を伸ばしている会社です。
 
その会社の社長との会話でのこと。
 
「最近、よく売ってくれている仲介業者さんって
 どこですか?」と尋ねると
 
「どこだろうね・・・。ここっていう仲介業者は
 見当たらないね。」
 
「そうですか。このあたりにも結構、イケイケの
 仲介業者があると思うんですが、どうですか?」
 
「確かに、昔はかなり売ってもらってたけど、
 最近はそうでもないかな・・・」
 
「どれくらいですか?」
 
「う〜ん、年間4〜5棟かな?」
 
「そんなに少ないんですか?」
 
「そんなもんだよ」
 
「他はどうですか?」
 
「他っていっても、年間2〜3棟も売ってもらえば
 よく売ってくれてる方かな」
 
「そうなんですか・・・」
 
実は、この話はこの建売業者さんに限ったことでは
ありません。
 
他の建売業者さんでも状況は同じようです。
 
つまり、
昔のように圧倒的に売ってくれる力のある仲介業者
が少なくなっているのです。
 
理由は、情報の分散化。
 
以前は、情報が広告宣伝力のある一部の仲介業者に
集中しました。
 
売主にとって広告宣伝力のある彼らは、多くの見込
み客を抱える力強い存在に思えたからです。
 
実際、彼らの力は偉大でした。
圧倒的な広告宣伝と人海戦術で見込み客を集客し、
建売業者の未公開物件を決めてくれていたからです。
 
しかし、時代は変わりました。
インターネットの普及により、小さな仲介会社でも
お客様を集客できるようになったからです。
 
そして何より
お客様自体の情報収集パターンが変わりました。
 
インターネットを利用すれば、
情報を入手するのにチラシや広告、不動産会社へ
訪問する必要がなくなったからです。
 
実は、
ここは建売業者にとっては重要なポイントです。
 
お客様は必要な情報はインターネットで収集する
クセがついているということです。
 
これは不動産情報に限ったことではありません。
他の商品、サービスを探す場合もまずネットで情報
収集します。
 
そして収集した情報をもとに
自分で商品、サービスを判断するのです。
行動はその後。
 
では、建売業者はどうしたらいいのでしょう?
 
それは、情報の一点集中を避けることです。
情報はなるべく分散して発信すること。
そうすることで、より多くの見込み客に伝わります。
 
もちろん、仕入れの関係でどうしても専任を出さな
ければならないこともあるでしょう。
 
しかし、そんな時でも極力専任期間を短く設定する
など情報を分散して発信する対策が必要です。
 
大切なことは、
圧倒的な販売力を持った仲介業者は存在しないと
自覚すること。
 
そう自覚することで、
仲介会社への依存体質から抜け出せるだけでなく
売れなかった時に備えた準備ができます。

時代は変わったのです。