いい家は売れるのウソ。

 

ある中堅建売業者の話。
 
従業員は30名弱。
30台そこそこのイケイケ社長の会社で
年間の分譲棟数は100棟弱。
 
ここ数年、右肩上がりに売上げを伸ばし
現在、この世の春を謳歌しているところ。
 
成長の理由は、と尋ねると
「いやぁ、うちはモノがいいから」
という返事。
 
社長曰く、
「いいモノをご提供すれば売れるんです」
ということらしい。
 
果たしてそうだろうか?
 
いいモノをつくれば売れる。
こんな簡単なことでビジネスがなりたつなら
苦労はしない。
 
土地を買って
いい家を建てれば売れる。
 
そんなビジネスモデルで売れた時代は、
今は昔。
 
確かにいい家を建てることは必要だが
それだけで売れるほど世の中甘くない。
 
実際、
冒頭のイケイケ社長の会社も
売れている本当の理由は他にある。
本人が知らないだけ。
 
本人が知らない、
売れている理由とは?
 
それは、広告。
 
この会社は自社で営業マンを抱えているため
広告をしている。
 
新聞折込はもちろん、
インターネットのポータルサイトなど
エンドユーザーが目にする場所には頻繁に
広告出している。
 
そのため、
エンドユーザーからの問合わせが多い。
 
ここがポイント。
 
社長は、いい建物だから売れていると思って
いるが、建物自体は正直大したことはない。
一部グレードの高い住宅設備を入れている
だけ。
 
その分、
価格も高くなっているので競争優位性はない。
 
唯一の、競争優位性というのが
自社販売とそれに伴う広告掲載。
 
実は、これが大きな差別化になっている。
 
競合他社が広告禁止としているため
広告している会社の物件は当然、見込み客の
注目を集める。
 
少々、価格が高くても
自分が希望するエリアの物件なら
問い合わせしたくなるのが人情というもの。
 
それが今のところうまく当たっているのが
この会社が成長している本当の理由。
 
問題は社長が
売れてる本当の理由を理解していないこと。
 
競合他社が同じように広告に力を入れ始めた
り、消費者が価値を見いださない部分にコス
トを掛け始めると、あっという間に成長は
止まる。いや、崩壊がはじまる。
 
経営者にとって大切なことは
ただ単に売上げを伸ばすことではない。
 
売上げを伸ばすための
正しい成功法則を見つけること。
 
間違った法則で売上げを伸ばしても

結局、長続きはしない。