違和感のある現場とは?

 

先日、ある建売住宅を見る機会がありました。
完成間もない物件で、はじめて仲介業者が売出
しをした物件です。
 
建物自体は、なかなか洒落た物件で
売主さんのこだわりが随所に見られました。
 
外観はもちろん、インテリアや間取りなど
パワービルダーがつくる物件とは、ひと味も
ふた味も違う印象。
 
広告の制作に携わることが多い私としては
セールスポイントの多い、売りやすそうな
物件です。
 
しかし、現場には違和感がありました。
 
なんともいえない、安っぽい雰囲気が漂って
いたのです。
 
具体的にいうと、仲介業者の捨て看板と
のぼり、そして道路には赤いロードコーンが
散乱し、割安感を全面に打ち出した現場にな
っていたことです。
 
本来、売主は価格の安さを売りにしたいとは
思っていません。
 
建物のクオリティ、こだわりのポイントを
訴求して売りたいと思っています。
 
しかし、
その意図が仲介業者に浸透していないのです。
 
仲介業者も悪気があってやっているわけでは
ないと思います。
 
ただ、どうやってそれを訴求したらいいのか
わからない・・・そんな状態なのでしょう。
 
だから、どこの現場を売るのもいつも同じ。
 
・現場に賑わい感を出すこと
・価格で訴求すること
・情報の新しさで訴求すること
 
この3つの繰り返し。
 
結果として、工夫を凝らした洒落た物件であろ
うとパワービルダーの物件であろうと売り方は
同じ、安っぽい売り方になってしまうのです。
 
品質で勝負する物件と
価格で勝負する物件では売り方は違います。
 
売り方を間違えると売れるものも売れなく
なります。そこを多くの人はわかっていません。
だから、いい物件をつくっても売れないのです。
 
今回の物件もまさにそんな物件でした。
高額な物件ではありませんが、丁寧な仕事がされ
た物件です。工夫が随所に見られる物件です。
 
そんな物件の場合は、上品に売る必要があります。
価格訴求はダメ。価格訴求すると建物自体が安っ
ぽい印象を与えてしまうからです。
 
人はイメージでモノを買います。
せっかくいい物件をつくっても売り方のイメージ
が悪ければ、その悪いイメージが建物にも移って
しまいます。
 
だからこそ、建物と売り方のイメージは同じに
する必要があるのです。
 
ちなみに、私が現地を訪れたのは平日だったの
ですが、週末の売出しののぼりやロードコーン
が道路にそのまま放置されていました。
 
これはイメージとしては最悪。
近隣の方への売主や仲介業者のイメージも悪く
なりますし、建物自体へのイメージも悪くなり
ます。
 
仲介業者としては、賑わい感を出しておけば
誰かから問い合わせがあるかもしれないと
思っているのかも知れませんがその確率はほと
んどゼロ。
 
メリットとデメリットを考えれば
明らかに撤去しておく方がいいでしょう。
 
建売業者の仕事は建物をつくること。
仲介業者の仕事は建物を売ること。
そう考えている建売業者さんがほとんどですが
それは間違い。
 
実際に販売するかどうかは別として
販売方法にも責任を持つというのが建売業者の
あるべき姿です。
 
あなたは販売を
仲介業者に任せきりにしていませんか?
 
大切なあなたの物件です。
イメージが損なわれないようチェックだけは

怠らないようにしましょう。