なぜ新しいノウハウは否定されるのか?

 

コンサルティングがうまくいくか
いかないかは、誰が責任者かということ
で大きく変わります。
 
わかりやすく言えば、
責任者が決裁権のある人、
社長や会社のナンバー2のような人か
単なる担当者かでその結果は大きく
変わるということです。
 
理由は簡単。
決裁権のある責任者は真剣に売ることを
考えているのに対して、単なる担当者は
自分の保身を考えていることが多いから
です。
 
以前ある会社でこんなことがありました。
 
その会社は、
マンションの再販をしている会社。
 
年間300戸以上売る会社ですからそれなり
の規模です。
 
その会社の専務から販売図面の依頼があり
ました。
 
1年近く売れていないマンションの販売
図面を作り直して欲しいというのです。
 
すぐに現地に行って販売図面の作成にとり
かかりましたが、なにしろ1年近く売れて
いないマンションです。
 
数回の値引きを繰り返し、
これ以上は赤字を出せないマンション。
 
それでも売れないわけですから
売れない理由は山ほどあります。
 
でも、そんなマンションを売るのが私たち
の仕事。
 
そのマンションのメリットとデメリットを
ピックアップして、メリットを最大限に
感じる人を設定して、コピーを考え、販売
図面に落としていくのです。
 
ようやくできあがり、
新しい図面を送るとすぐに連絡がありました。
 
ちょっと相談したいことがあるので
来て欲しいと。
 
スケジュールの都合をつけ、翌日先方に伺うと、
と販売図面の担当という人がいました。
 
相談というのは、
販売図面の担当がこの販売図面では売れない
のではないかと言っているというのです。
 
まあ、私たちがつくる販売図面は一風変わっ
ているので、はじめて見る人は戸惑います。
 
今回もそうだろうなと思って販売図面の意図
を説明したのですが、なかなか納得してもら
えません。
 
どうやら担当者は新しい販売図面をつくるこ
とで、自分を否定されたと考えているようで
した。
 
自分の頭越しに新しい業者に相談した専務に
対してプライドを傷つけられたと感じている
のです。
 
専務自身はそんなことは全く思っていません。
とにかく早く処分したい、なんとかできるな
らどんな方法でも取り入れたいと思っている
だけ。責任感から行動しているだけです。
 
ここがサラリーマンと経営者の違い。
深い溝です。
 
最終的には、1ヶ月だけ新しい販売図面を試
してみるということで決着。
 
1ヶ月以内に売れなければ元の販売図面に戻
すということで担当者には納得してもらいま
した。
 
結果はというと・・・11日間で売れました。
 
この時は、たまたまいい結果がでましたが、
うまくいかないことも多々あります。
 
そんな時重要なのは、リーダーシップ。
 
経営陣のリーダーシップがなければ
どんなにコンサルタントが頑張っても
どんなにノウハウが優れていても会社は改革
できません。
 
人は保守的な生き物です。
特に年齢を重ねるとより保守的になります。
 
 
もっと売れるようにしたいといいながら
新しいことには取り組みたくないという
そんなベテラン社員がネックになります。
 
それはどこの会社も同じ。
全国、全業種共通です。
 
そんな事実を踏まえ

社内の根回しをすることが大切です。