なぜ高額ランドセルが売れるのか?

 

来年、義理の姉の孫(女の子)が小学校
に入学するといいます。
 
そこで、話題になったのが入学祝い。
義理の姉としては、やはりランドセル
を買ってあげたいらしい。
 
しかし、問題は価格。
最近のランドセルの価格がべらぼうに
高いというのです。
 
そういえば、テレビのコマーシャルで
売っていたランドセルも確かに高額。
 
気になったので調べてみると
確かにここ数年でかなり高額になって
いるようです。
 
前述のイオンのランドセルの価格は、
33,000円〜88,000円。
 
女の子の一番人気は、
68,000円のスパンコールをちりばめた
ピンクの「プレミアム・スパンコール」
だといいます。
 
他のメーカーも同様で
安い価格帯もないわけではありませんが
売り場では高額なランドセルが一等席に
飾ってあるためどうしても子どもの目は
そこに向かいます。
 
現在、候補にあがっているのは
10万円近いランドセル。
 
さすがに即決はできなかったそうですが、
孫の顔を見ていると仕方ないかなという
気になっているようです。
 
ただ、それにしても高い。
 
本来なら消費税増税や不景気の影響で
低価格帯に力をいれそうなものですが
ランドセルメーカーの狙いは違います。
 
少子化の影響を考慮してか
高価格帯を充実させる戦略。
 
ターゲットを
両親から祖父母へ完全に変えています。
 
実際、義理の姉のところはその戦略に
ピッタリはまっていますし、
 
テレビや雑誌を見てもその戦略に踊ら
されている人がたくさんいます。
 
6年間使うものだから
気に入ったものを持たせたい…
 
どうせ買うんだったら
孫のよろこぶものを買ってあげたい…
 
そんな親心ならぬ祖父母心を利用した
戦略は消費税や景気の影響を一切受け
ない盤石の戦略。
 
お見事としかいいようがありません。
 
勝因は、ターゲットの変更。
 
お金に厳しい人から
お金に甘い人へターゲットを変えた
ことです。
 
同じことは、建売住宅でもいえます。
 
今、多くの建売業者が売れないと悩ん
でいますが、
 
それは、お金のない人をターゲットに
しているから。
 
ほとんどの業者が
低価格じゃないと売れないと思って
いるからです。
 
不景気だから高額な商品は売れない、
消費税の影響があるから価格は据え置
いた方がいい、
 
そう思っているため
安い価格帯でさがしている人を
ターゲットに商品をつくり販売して
います。
 
その結果、各社同じようなエリアで
同じような商品で血みどろの価格競争
を繰り広げているのです。
 
では、そこから抜け出すには
どうしたらいいのか?
 
ランドセルのように、お金より品質。
お金より心の満足、という人を対象に
することです。
 
現在の建売住宅では満足できない、
もっと高くてもいいから魅力的な物件
が欲しいという人をターゲットにする
ことです。
 
ランドセルの価格は、ここ数年で2倍
近くになりました。
 
もちろん建売住宅でそこまでの価格UP
は無理でしょうが、ある程度の価格UP
は可能。
 
そんな人はいない、
そんな商品はつくれない、
と建売業者が思い込んでいるだけです。
 
ランドセルはいい成功事例です。
この機会にどんな人だったらもっと高額
な建売住宅を買ってくれるか考えてみては
いかがでしょう。
 
その人ならどんな家を好むのか、
そのために何をしなければいけないのか、
 
その答えが見つかれば利益率の高い、
差別化された商品を売ることができるよう
になります。
 
そうすれば、今の苦境は過去のもの。
あの会社の物件は高いけどいい、
というブランドを築くことができます。
 
みんなが低価格に向かっている今ころ
高額商品のチャンス。
 

真剣に考えてはいかがでしょうか。