今、仕入れ担当に求められるもの。


建売業者さんから依頼を受けて広告を
つくることが多いのですが、

その際に一番困ること、それは
セールスポイントを見つけること。

その物件をもっとも魅力的に表現する
セールスポイントを見つけることです。

本来、それは建売業者さんの仕事なの
ですが、セールスポイントをしっかり
把握している業者さんというのが、
ほとんどいません。

セールスポイントは何ですか?
と聞いても、
ありきたりの返事が返ってくるだけ。

ターゲットは誰ですか?
と聞いても
一次取得者です、というのが関の山。

なかには、仕入れ担当と設計担当、
販売担当が別々の会社もあり、

販売担当は、仕入れ担当がなぜその土地
を仕入れたのか、どんな物件をつくろう
としてその土地を仕入れたのか、
全く把握していない会社もあります。

もちろん、仕入れた土地を設計担当が
じっくり吟味して、魅力的な設計をする
ことができればいいのですが、現実は
それができていません。

誰に何をアピールして販売するのかが
決まっていない。

それぞれの部署が、
出口戦略が見えないまま仕事をしている
というのが現状です。

実は、ここに建売業界がかかえる大きな
問題があります。

大手不動産会社などは、大規模な開発
が多いため、比較的出口戦略がはっきり
していますが、

中小の建売業者さんは出口が見えない
まま、それぞれの仕事をしている。

そのため責任の所在がはっきりしません。

仕入れ担当は、売れないのは設計が
悪いから、販売担当がしっかりしてない
からといい、

設計担当や販売担当は、こんな土地じゃ
売れる商品はつくれない、と仕入れを
批判する。

それの繰り返し。

確かに、仕入れさえできれば売れた時代
はありました。

仕入れが花形だった時代はありました。

しかし、今は仕入れるだけではダメ。
仕入れた土地が想定した価格で、想定
したお客様に売れなければダメな時代。

仕入れ担当に、商品企画や販売の能力も
求められる時代です。

時代が変わったといってもいいでしょう。

世の中が、
家を持つことが人生の目的だった時代、
いわゆる団塊世代の時代は、
究極の目的がマイホームでしたから、
つくれば売れました。

いい商品企画であれば、
より売れましたが、
そうでない商品でもそこそこ売れました。

しかし、そんな時代も過去のはなし。
今は家もマンションも有り余ってる時代。
その上、所得が上がらない時代です。

そんな時代に、
仕入れさえできればそのうち売れていく
と考えるのは自殺行為。

誰の、どんな欲求を刺激する家をつくる
のかを決めないで仕入れしてもリスクを
増やすだけです。

大切なことは、土地を仕入れる前に
仕入れ、設計、販売の連携がとれている
こと。商品企画、販売方針が明確になっ
ていることです。

あなたの会社は、
土地さえ仕入れられれば安泰だと考えて
いませんか?

これからは仕入れ能力以上に
企画、販売力が求められる時代です。

仕入れ能力が、あだになならないよう

注意が必要です。