間取りで差別化しませんか?


先日、ある土地のプロデュースを頼まれ
ました。2棟だけの小さな土地です。

駅からは歩いて16分。
実際は、かなり坂があるので歩くのには
少し厳しい場所。バス便といった方が現
実的です。

現地は第1種低層住居専用地域内で一見
したところ住環境は悪くありません。

問題は、価格。
近隣の建売住宅と比べるとかなり割高。

売主もそのあたりは承知しているので、
今回は建売住宅ではなく建築条件のない
土地で売ってしまいたいということです。

何度か知り合いの不動産業者にお願い
して現地売り出しをしてもらったそう
ですが、全く反応なし。

このままじゃ、売れないということで
私のところへ依頼が来たということです。

こんな場合は、まず最初に考えるのは
参考プラン。

はじめて買う人は土地だけ見てもイメージ
がわかないので、出来上がりのプランが
大事になってきます。

もちろん、売主もそのあたりはわかって
いるようで販売図面にはちゃんと参考プラ
ンがあります。

売主の参考プランは、

1階がLDKと水回り。
2階に4つの個室という4LDKプラン。
建売住宅で良く見かける典型的なプラン
です。

可もなく不可もない
というプランでしょうか・・・

そこで、知り合いの工務店に参考プラン
を依頼することにしました。

その工務店は注文住宅をメインにやって
いる会社。はじめて家を建てる一時取得
のお客様が多い会社です。

待つこと1週間。
できあがって来たプランは今までの売主
のプランとはまったく違うものでした。

大きな違いは、部屋数。
売主のプランでは4LDKでしたが、
工務店のプランは3LDK。
子供部屋の壁は可動式になっているので
実質は2LDKという感じです。

なぜ彼がこの部屋数にしたかということ
ですが、それは5人家族というのが最近
少なくなったというのが最大の原因です。

彼によれば、最近相談を受けるお客様
の家族構成は、3人〜4人家族というのが
ほとんどだというのです。

そのため、4LDKをつくってもひと部屋は
納戸のような扱いになるのが関の山。

であれば、最初から大きな納戸のような
収納をつくっておいた方が便利。

実際、彼のプランには、家族共用の3.5帖
の大きなウォークインクローゼットが設け
られています。

その上、家族共用のウォークインクロー
ゼットの横には、洗濯機置き場とミセス
コーナーが設置されているので、洗濯を
しながら机に向かって家計簿をつけたり、
洗濯が終わったらその机で洗濯物をたたむ
こともできます。

主婦の生活動線を良く考えた間取りです
が、それ以上に感心したのは、大きな
ウォークインクローゼットになっている
ので、洗濯物を畳まないでそのままウォ
ークインクローゼット内にかけて干す
こともできるというアイデアです。

室内干しを乾燥するための除湿機を置い
ておけば、洗濯物をたたむ手間が省ける
ので主婦の仕事がかなりラクになるとい
うのです。

もちろん、他にも間取りに対する工夫
はいっぱい。当初の参考プランとは比べ
ものにならないほどセールスポイントが
増えました。

セールスポイントが増えるというのは
売れる確率が高まるということ。

同じ土地でも間取り次第で魅力が倍増
するということです。

あなたは、
間取りを真剣に考えていますか?

いつもの業者にまかせっきりになって
いないでしょうか?

一番簡単な差別化は間取りです。

ほとんどお金をかけずに
頭を使うだけで
土地の魅力を倍増させてくれます。

そこのところもう一度よく考えてみては

いかがでしょう。