常識にとらわれていませんか?


ある土地のコンサルティングを頼まれた
時のこと。

土地の価格は約2500万円。
30坪程度の土地ですが売り出してから
もう半年も売れていないといいます。

理由は、バス通り沿い、駅から遠い等々
いろいろありますが、

最大の理由は、価格が高いこと。

実勢価格と比べると
500万円ほど高いということです。

さて、そんな土地をどうしたら売れるか
考えて欲しいという依頼でしたが、
そう簡単ではありません。

5000万円程度の土地で
相場より500万円高いというのと

今回の土地のように
2500万円程度の土地で
相場より500万円高いのでは
割高に感じる額が違います。

ただ単に土地だけを売ろうとしても
売れません。

こういう場合は、
土地という単品ではなく
土地+建物というパッケージにして
売ることが得策。

魅力的な建物をプラスすることで
土地の割高感を感じさせないように
することが重要です。

本来は、建売住宅として売却するのが
いいのですが、この土地の場合は、
そんな予算が取れないとのこと。

仕方ないので、
参考プラン付きで土地を売ることに
しました。

パッと見た感じでは
建築条件付きの土地ですが
実は単純な土地分譲という形態。

勝負のカギは、
参考プランです。

高級感があって、建売住宅では見た
ことがないような建物。

狙う客層としては、
大手ハウスメーカーの注文住宅で
建てたいという人。

建物の予算だけで2500万円程度
考えているような人です。

大手ハウスメーカーで2500万円
の建物であれば、下請け業者を利用
すれば2000万円程度で建てること
は不可能ではありません。

仮に少し予算をオーバーしたとしても
この方法なら土地の割高感をいくらか
抑えることができます。

問題は、大手ハウスメーカーで考えて
いる人を振り向かせることができるか
どうか。

住宅展示場もない、
大手と比べて勝てるような信用もない、
ないないづくしで大手に勝つためには
相当インパクトのある建物を提案しな
ければなりません。

試行錯誤の末、最終的には、
私の知り合いの工務店に頼んで
プランをつくってもらうことになり
ました。

出来上がってきたプランは、
リゾートホテルのような屋上の付いた
2LDKと3LDKのプラン。ひと目で目を
引くカッコイイ住宅です。

これなら行ける!
と、興奮しながら売主に提案すると
予想外の反応が・・・

全体のプランはいいのですが
2〜3LDKはちょっと・・・
というのです。

工務店がこのプランにしたのには理由
があります。

収納や動線を考慮するとこの間取りが
一番使いやすいと判断したからです。

実際、説明を聞いてみるとよく工夫され
ているのがわかります。

しかし、売主は今まで4LDKしかつくっ
てこなかった業者さん。

2〜3LDKの間取りは違和感があって
馴染めないというのです。

ただ、考えなければいけないのは
実はこの売主さんは今まで4LDKの参考
プランを提示して半年間販売を続けてき
たということ。

それにも関わらず、
4LDKのプランに反応を示したお客様は
いなかったという事実です。

であれば、4LDKにこだわる必要はあり
ません。むしろ、喜んで他のプランを試
すべきです。

確かに、新しいことにチャレンジするの
には勇気が必要です。

しかし、新しいことにチャレンジしない
と立ち行かなくなるのも事実。

このまま何も新しいことにチャレンジし
ないで、相場より500万円も高い土地
が売れる理由が見つかりません。

アインシュタインの有名な言葉に
狂気という言葉があります。

アインシュタインは言います。

狂気とは、同じことを繰り返し行い
違う結果を予想すること。

うまくいかなければ
間違っていてもいいから
新しいことにチャレンジしましょう。

うまくいかないことを繰り返しても
違う結果は生まれませんよ。