最後はローラー作戦。


またまた不景気の波が押し寄せてきて
いるようです。

あちこちから売れない・・・という
悲鳴が聞こえてきました。

そのせいか、多くの業者さんが値下げ
に走っていますが、

値下げだけで解決できるほど
世の中、甘くありません。

もちろん、赤字になるまで値下げすれ
ば売れるのかもしれませんが、

それではビジネスとしては成り立ちま
せん。遅かれ早かれ、限界が見えてき
ます。

では、どうしたらいいのか?

答えは、そんなに難しくありません。
ローラー作戦すればいいだけ。

あなたの物件のことを知らない人が
いないというところまで、徹底的に
告知することです。

昔話で恐縮ですが、私はもともと
あるマンションディベロッパーの
営業マンでした。

入社当時は、日本一のマンション分譲
戸数を誇る会社。

一部上場企業だったこともあり、
安心して入社したのですが、
大きな勘違いだということは、
入社してすぐにわかりました。

朝から晩まで、電話を握りしめて営業
させられたからです。

当時のその会社は営業力だけで成り上
がった会社でした。

実際、他社のマンションと比べると
価格が2割、3割高いのは当たり前。

物件によっては、同じ条件で1,000万円
も違うものもありました。

しかし、当時の営業部長は、
売れない理由なんて聞いてはくれません。

売れないのは営業マンが悪い、
物件のせいにするなというのが基本方針。

泣き言なんか言おうものなら、
とんでもない説教が待っていました。

そんなとんでもない会社でしたが
売れ行きはというと、

総戸数20〜30戸の物件なら、
ほとんど2〜3ヶ月以内に完売していたの
です。

売り方は単純です。
営業マン約30人で物件の周囲を徹底的
にローラー作戦で訪問すること。

住宅地図を抱えて、1軒1軒営業マンが
訪問して、マンションを勧めるという
ドブ板営業です。

昼間訪問していなければ、夜電話する。
とにかくこれの繰り返し。

当時は、折込広告もしていませんでした
から、告知する方法は訪問か電話しかあり
ません。

徹底的にそれを繰り返させられました。

もちろん、さぼることもできましたが
自分の担当エリアは一定期間が過ぎると
オープンになります。

オープンというのは、誰でも好きなエリ
アをやってもいいということ。

そのため、自分の担当エリアだった場所
から他の営業マンが成約しようものなら
立場がありません。

できない営業マンのレッテルが貼られて
しまいますから、みんな必死です。

当時の私たちの営業スタイルは雑誌等
でもよく取り上げられ、

◯◯のシロアリ軍団と呼ばれていました。

しつようにかかってくる電話や
深夜にまでおよぶ営業方法は、いろいろと
問題がありましたが、成果という点で考え
るとかなりのものでした。

そんなローラー作戦ですが、
面白いのは、それだけ営業しているにもかか
わらず、お客様のなかには、そのマンション
のことを知らなかったという人がそこそこい
たことです。

ついこの間まで知らなかった・・・
営業マンからの電話ではじめて知った・・・
知ってはいたけど、興味がなかった・・・

そんな人が結構いたのです。

こちらは地べたを這いずり回るように
ローラー作戦をかけているにも関わらず
知らなかったという人がいる現実。

そして、そんな人が、ある日突然
モデルルームに現れて購入するという現実。

そんなケースを山ほど見てきました。

それほど、すべての人に告知するという
のは難しいことなのです。

多くの建売業者さんは、売れないとすぐに
価格のせいにします。

もちろん、価格のせいや立地のせいも
ある程度は影響しているでしょう。

しかし、一番の問題は
あなたの物件の存在が、それを必要として
いる人に伝わっていないこと。

これがほとんどです。

大切なのは、告知すること。
ローラー作戦をしてでも告知することです。

効果抜群ですよ。