中小建売業者は非常識?


不動産業界に長くいると鈍ってくるもの
それが、世間の常識です。

不動産という高額な商品を扱っている
私たちですが、いつの間にか高額な商品
という感覚が薄れていきます。

数千万もする商品をまるでクルマでも
売るような感覚で販売しています。

その一方で、
新車販売のディーラーと違うのは、
商品に対する扱い方、見せ方です。

新車を販売しているディーラーは、
お店をきれいにし、クルマをピカピカに
して販売していますが、建売住宅はそう
ではありません。

多くの建売住宅は、
工場から届いたばかりのクルマと同じ
状態で並べられています。

もちろん、すべての建売住宅が
そんな野ざらしの状態で販売されて
いるわけではありません。

なかには、新車販売のディーラーの
ように商品を大切にして販売している
会社もあります。

先日、訪れた建売住宅はそんな現場
でした。

そこは、ある大手不動産会社が販売
している建売住宅。

総戸数は10数戸と、大規模な現場では
ありませんが、建物の扱いは大規模な
現場とほとんど遜色ありません。

植栽の植えられたオープンな外構。
家具や雑貨の置かれた豪華な室内。
所々に置かれたパネルやPOP。

そして何より、
きれいに掃除された建物。

ゴミひとつ、埃すらない室内を見るの
は久しぶり。思わず感動してしまいま
した。

まあ、物件の価格からすると当たり前
といえば当たり前の展示方法なのです
が、中小の建売業者さんの現場とは、
明らかに違います。

なぜ、こんな違いが起きるのだろう?
と考えたのですが、

きっと、責任の所在が違うからだと
思います。

大手不動産会社は、仲介業者を通さず
自分たちで販売します。

それに対して、中小の建売業者さんは
大抵は仲介業者を通しての販売。

自分たちは建物をつくるだけ、
販売は仲介業者の仕事と思っているから
です。

そのため、建物の見せ方に関心がない。
それが最大の理由だと思います。

実際、今まではそれで売れてきましたし
今でも売れている現場はあります。

しかし、それが正しい売り方かというと
正しい売り方ではないでしょう。

少なくとも世間の常識とはかけ離れて
いると思います。

販売の責任がどちらにあるにせよ、
お客様には関係ないこと。

数千万もする商品を、
工場から出てきたクルマと同じ状態で
販売するのはあまりにも雑すぎます。

ただ、これって、中小の同業者を見てい
るとなかなかわかりません。

同業者でも大手とか、
少しジャンルは違いますが、
同じような価格帯の新築マンション業者
を見てはじめてわかることです。

ということは、
そこを少し改善するだけで同業者と
差別化できるということ。

世間の常識に近づけるだけで
同業者より頭ひとつ抜け出すことが
できるということです。

まずは、
物件の掃除からはじめませんか?

1週間に1度は現場の掃除をする。

たったそれだけで
十分、差別化できる業界です。

おすすめですよ。