建売業者の地力をつけるのに最適な
方法があります。
それは、値下げしないということ。
売れなくなるとすぐに思いつくのが、
値下げです。
値下げもひとつの販売戦略ですが、
これは最後の最後。
伝家の宝刀ともいうべき技。
むやみやたらに使ってはその効果は
半減します。
いや、むしろ滅多に使わないからこそ
効果が保てるもの。
よほどの事情がない限り使うべきでは
ありません。
そんな話をすると、決まってでてくる
のが、そうは言ってもそれしか思いつ
かないというもの。
値下げしか思いつかないというのは、
真剣に考えていない証拠。
安易な解決策を取ろうとしている証拠
です。
値下げがダメな理由は、
実はこれをはじめると思考能力がなく
なるからです。
値下げは麻薬みたいなもの。
一度それでうまくいくともう止められ
なくなってしまいます。
ましてや、わずかな値下げで売れた
経験をすると、一瞬で中毒になり、
そこから抜け出せなくなってしまうの
です。
もちろん、それで事業がうまくいけば
いいのですが、世の中そんなに甘くは
ありません。
どんなに優れた仕入れ能力があっても
100戦100勝は無理な話。
必ずどこかで負けることがあります。
会社に体力があれば
負けてもある程度は大丈夫でしょう。
しかし、建売業者というのは
体力がある会社の方が少ない。
うまくいけばいくほど
大きな商売をするようになり、
現場の数も規模も大きくなります。
そのため、否でも景気の影響を
受けることになります。
開発時には、この価格で売れると
踏んでも、開発期間が長くなれば
市況の変化も起こります。
売り出す頃には、すっかり相場が冷え
切っているということも珍しくありま
せん。
仲介業者というのは、現金なもので、
売れそうでない物件には食いついて
きません。
数回、売り出しをやってダメなら
すぐ手を引くのが仲介業者。
あとは、売主の値下げを待つのみ。
兵糧攻めにして、
手頃な値段になったらまた売り出しを
再開すればいいと思っています。
そんな状態ですから、
自分の身は自分で守るのが鉄則。
売主は、自分の力で売り切ることを
覚える必要があるのです。
売る能力をつける一番簡単な方法は、
値引きしないで売れという方法。
値引きという選択肢がなくなれば
否が応でも頭とカラダを使わなければ
なりません。
そうすると見えてくるんです。
新しい世界が。
新しい世界とは、
お客様側から見た建売業界。
建物に対する問題や、売り方、
商品企画から住宅設備に至るまで、
こうして欲しい、こんな物件があったら
という消費者の声が、わかるようになり
ます。
そうなれば、しめたもの。
あなたに売れる建売住宅とはどんな
ものかが、わかるようになってくるの
です。
土地の仕入れだけをやっていても
売れる建売住宅はつくれません。
建物を建てているだけでも
売れる建売住宅はつくれません。
建売住宅の販売を経験してはじめて
売れる建売住宅のつくり方、売り方が
わかるようになるのです。
あなたは、消費者が望む建売住宅が
わかりますか？
もし、わからないのであれば
まずは値下げをやめて今ある在庫を売り
切る方法を考えてみましょう。
簡単には思いつかないかもしれませんが
考える習慣を身につけることが大切。
まずは、1日30分。
値下げしないで売るためのアイデアを
出してみましょう。
きっと、新しい世界が見えてきますよ。