八方美人な物件、つくっていませんか?


先日、懇意にしているクライアント
さんから、新しいお客様をご紹介い
ただいた。

その方も、長年建売住宅をつくって
いる方で、結構いい建物をつくって
いる業者さんらしい。

早速、お会いしてみると、
建物には自信があるのだが、
最近、売れ行きが良くないとのこと。

どこに原因があるのか教えて欲しい
という相談でした。

完成物件を2件ほど案内してもらい
ましたが、確かに建物は良さそう。

設備は充実しているし、
使っている材料もパワービルダーの
ものよりワンランクか2ランク上の
ものばかり。

そこそこお金がかかっているという
のは一目瞭然。

売主さんの建物には自信があるとい
う言葉にはうなずける物件でした。

しかし、
なぜか欲しくならない・・・

ワクワク感がないのです。

ひとことで言えば、
見せ場のない物件。

可もなく不可もない
典型的な建売住宅になっていました。

売主さんとしては、
パワービルダーの物件をもっといい
材料に変えて、ワンランク上の設備
をつけて差別化したつもりですが、
実際には差別化には繋がっていません。

もちろんパワービルダーと同じ価格
で、すべてワンランク上というのな
ら差別化にはなりますが、

価格はパワービルダーと同じとはい
きません。

当然、その分のコストは上乗せされ
ていますから、価格もワンランク上。

いい建物だけど、価格もそれなりね、
ということになってしまいます。

そうなると、価格を超える魅力が
必要になってくるのですが、

材料や設備をワンランク上にしただ
けでは、大きな魅力は生まれません。

では、少ない費用で、より効果的な
見せ場をつくるにはどうしたらいいか。

それは、お客様を絞り込むことです。

買って欲しいお客様のライフスタイル
や趣味嗜好を絞り込んで、

その人が魅力的に見えるような物件を
つくることです。

多くの建売業者さんは、
リスクを取ることを恐れます。

そのため、
建売住宅=誰からも好かれる家
というイメージで商品をつくります。

しかし、これこそが危険な考え。
誰からも好かれる家は、無難だけど
魅力に欠ける家になってしまうから
です。

その典型が、間取りと住宅設備。

どこの建売住宅を見ても、間取りは
もちろん、外観も住宅設備も素人目
にはほとんど同じ。

違うのは場所と価格だけという構図に
なっていますから、

はじめて買う人にとって、
物件を選ぶには、場所か価格でしか選
びようがありません。

他の選択肢がないのです。

であれば、他の選択肢をつくってあげ
ればいいだけの話。

この家は、こんな人のためにつくりま
したという決め打ち物件をつくること
です。

そんな話をすると、決め打ち物件以外
の人には売れなくなるのではないか、
と心配をする人がいますが、
それは心配無用。

レストランのレディスセットに男性が
興味を示すように、商品そのものに特
定のターゲットを魅了できる価値があ
れば、狙ったターゲット以外の人も魅
了することができます。

大切なことは、狙ったターゲットが
来たら、必ず落とせるような商品を
つくること。

このターゲットだったら100%満足し
てくれるという物件をつくることです。

あなたの物件は、
誰からも好かれようとする八方美人な
物件になっていませんか?

八方美人な物件は、
誰からも好かれそうだけど
誰からも熱烈な支持を得られない物件。
特徴のない物件です。

その上、ライバルが多く
価格競争に陥りやすい。

あなたもそろそろ
八方美人な物件から卒業しませんか?

今ならちょっと視点を変えるだけで
簡単に差別化できますよ。