パワービルダーと同じ家を建てるな!


2013年11月。パワービルダー6社
が経営統合しました。

6社とはご承知の通り、
1967年に創立した飯田建設工業
(現在の一建設)から独立したOB
による会社(一建設・飯田産業・
東栄住宅・タクトホーム・アーネスト
ワン・アイディホーム)。

これらが共同持ち株会社(飯田
グループホールディングス)を設立
しました。

建売業界のシェアは、
一説によれば30〜50%。

そこまでは行っていないとしても、
それに近い数字は皆さんも体感して
いると思います。

パワービルダーの最大の特徴は、
資金回転率。

大手は年3回転ですが、
パワービルダーの資金回転率は
年4回。この1回転の差が大きな
違いを生み出しています。

つまり、彼らは回転率を上げること
で建築費を抑制できるため、仕入れ
に資金を回せます。そのため、ガン
ガン土地が買える。

売れ筋の土地が彼らによって
抑えられてしまうのは必然といえば
必然です。

また、住宅業界は職人不足が深刻
ですが、回転のいいパワービルダー
は職人確保も有利。

これから東京オリンピックに向けて
より深刻な職人不足が考えられます
から、彼らは今以上に優位に立つと
考えられます。

さらに、6社統合による最大のメリ
ットは、建材の共同調達によるコスト
削減。

三井不動産レジデンシャルでさえ
年間供給戸数は800〜900戸。
それに対して、飯田グループの供給
戸数は、約30,000戸。

30,000戸分の建材を共同調達すると
なれば、そのメリットは計り知れ
ません。

経営統合に対して、批判的な意見は
ありますが、最終的には共同調達に
よるメリットで6社がまとまること
は容易に想像できます。

と、まあ
圧倒的な競争力を持った巨大企業が
誕生したわけですが、

普通に考えたらこんな大きな企業に
勝つことはできません。

何しろ、資金力が違うわけですから。

であれば、どうすれば勝てるか?

答えは簡単です。
彼らと同じ土俵で戦わないこと。

これしかありません。

つまり、
似たような建物をつくらないという
ことです。

彼らが狙うターゲット(一時取得層)
に彼らと同じような建物を建てて販
売しても、資金力、建築コストで勝
てるわけありません。

ということは、彼らが狙うターゲット
と違うターゲットを選ぶこと。

彼らが低価格志向のお客様を狙うと
すれば、もう少し高めの価格でも大
丈夫なお客様を狙うことです。

そして、そのお客様がどんな家を求め
ているかを徹底的に研究する。

そして、パワービルダーの家では
彼らが決して満足できないような価値
を提供する。これしか勝てる方法はあ
りません。

敵を知り己を知れば百戦危うからず。

もう一度よくライバルの力を把握しま
しょう。

そして彼らと戦うにはどんな戦略が
いいのかじっくり考えましょう。

現実を理解することほど重要なことは
ありませんよ。