過剰設備で差別化していませんか?


建売業者さんによっては、一生懸命
差別化に取り組んでいる会社があり
ます。

このままパワービルダーと同じ建物
を建てていても勝てないという危機
感から、パワービルダーにない設備
を付けようと必死になっている会社
もあります。

それはそれで間違いではありません
し、いいことなのですが、当然設備
が増えればコストも上がります。

コストはそのまま販売価格に転化さ
れますから、売れ行きを左右する要
因になるか、売れなければ利益を圧
迫する原因になってしまいます。

つまり、設備の追加による差別化は
リスクが大きく、簡単ではないとい
うことなのです。

もちろん、うまくいけば設備の追加
による差別化は即効性があります。

それでついつい、そちらの差別化に
走ってしまうのですが、実は2つの
大きな問題があります。

ひとつは、設備の追加による差別化
は長続きしないということ。

なぜなら、誰でも簡単に差別化でき
るので、ライバルもすぐ参入してく
るからです。

そうなると、
もうその設備による差別化は差別化
ではありません。標準になってしま
うのです。

つまり、設備による差別化は旬の時
期が短いということを理解しておく
必要があるということです。

それともうひとつ。
その差別化商品に対してお客様が価
値を感じるかどうかという問題です。

よくあるのが、
セコムやALSOKの防犯設備です。

少し高めの建売住宅でよく使われる
防犯設備ですが、最近では、低価格
の建売住宅でもちょくちょく見かけ
るようになってきました。

果たして、これは差別化に繋がる
設備なのでしょうか?

差別化に繋がるかどうかは、お客様
がその商品があることによってその
家が欲しいという気持ちになるかど
うか。

いくら豪華な設備や便利な設備が
付いていてもそれに魅力を感じなけ
れば、それは過剰設備。

おカネをドブに捨てるようなことに
なります。

実際、ある建売業者さんが防犯設備
の契約更改状況を調べたところ、
最初の契約更新で半数以上の家庭が
解約していたというデータもあります。

それほど、住む場所、購入価格帯に
よって、設備の魅力は変わるという
ことなのです。

大切なことは、売主が勝手に判断し
ないということ。

ちゃんと調査して、差別化の設備を
導入するということです。

調査するのは、カンタン。
お客様に聞けばいいだけです。

オープンハウスを実施して、その際
にアンケートを取ればいいだけです。

そうして、本当にお客様が欲しいと
思っている設備と、そうでない設備
を見分けていくこと。

それをすることによってムダのない
設備の差別化ができるようになるの
です。

あなたの建売住宅には、
ムダな差別化設備は付いていませんか?

たまにはじっくり考えてみることも
大切ですよ。