建売業者にとって、
資金の回収は最優先事項。
資金が寝てしまえば、金利負担が
増えるだけでなく、新しい物件も
買えなくなり、ビジネスチャンス
を逃してしまいます。
できるだけ早く回収したいところ
ですが、早く回収する方法がわか
らないというのが本当のところ。
大抵の業者さんは、値下げしか早
く回収する方法を知りません。
資金が寝てしまう一番の問題は、
売り出し時期。
造成に時間がかかる物件などは、
造成が終わってからでないと売れ
ないと考える業者さんがほとんど
です。
理由は、造成中の現場を見ても
お客様がピンとこないからという
もの。
いわゆる、造成中（建築中）の物件
は、感度が出ないというやつです。
確かに、造成中の現場は雑然とし
ていて、欲しくなるような場所では
ありません。
期待外れだと思われないように、
完成してから見せたいと思うのも
無理はありません。
しかし、それをやっていると
販売期間は伸びるだけ。
造成が完成するまで待ちきれずに
他の物件を購入してしまうお客様も
出てきます。
逆に、もうすぐいい物件が発売に
なると煽っていると、期待値が高
くなりすぎて、思っていたほど大
した物件じゃなかった…という反
応を引き起こすこともあります。
要するに、
完成後から物件を売ることは、
いいこともあるけど、悪いことも
あるということ。
一長一短あるなら、
少しでも早くから販売を開始する
ことです。
造成（完成）前物件の最大の問題
は、イメージがわかないこと。
だから、造成前に購入する理由が
見あたらないことです。
イメージがわかない物件、
自分の目で完成状態を確認できない
物件を購入するのは勇気がいります。
つまり、リスクがあるということ。
どんな物件になるのか想像できない
物件は、購入をためらうのが人間の
心理。自然な行動です。
であれば、
そのリスク以上の魅力を提供できれ
ば、購入を躊躇する心理的な足かせ
を外すことができます。
具体的な方法としては、
メリットを与えることです。
完成前の状態で決断した方が
完成後より有利だと判断できれば
人は完成前でも決断するというこ
とです。
よくある未公開物件です、
というのもメリットのひとつ。
まだ情報が出回る前だから
好きな区画が選べますというメリ
ットを提供することで購入を促し
ています。
他にも、今、決断すれば間取りが
自由になるとか、
今、決断すれば家具が付いてくる
とか、
場合によっては、
今、決断すれば◯◯万円値引きし
ますというのもメリットです。
大切なことは、
購入を決断する理由を与えてあげ
ること。
お客様が購入を正当化する言い訳
を用意してあげることです。
そうすれば、万全の状態でなくて
もお客様は決断できるようになり
ます。
これ、かなり強力です。
ぜひ試してみてください。