以前、コンサルティングをした
建売業者さんの 話。
その建売業者さんは、不動産仲介
出身の建売業者さんでした。
自社で営業マンを抱え、
年間の販売戸数は、70〜80棟程度。
その地域では中堅の不動産会社です。
販売は自社の建売住宅がメイン。
自社の物件で決まらないときは、
他社の建売住宅を仲介する、典型的
な仲介会社出身の建売業者さんです。
集客は、インターネットと
折込チラシ、そして現地販売。
一般的なやり方ですが、
最近、集客力が落ちてきたのが
社長の悩みです。
どうしたらいいんでしょう？
という相談だったのですが、
どうしたいんですか？
と逆質問してみました。
社長としては、
とにかく在庫を早急に処分したい
とのこと。
まずは、ひと息つきたいという
のが社長の本音です。
抜本的な改革はその後にしたい
という相談でした。
そんな時にまず最初にやっても
らう方法があります。
それは、
広告を解禁してもらうこと。
自社で営業部隊を抱えている会社
に限らず、建売業界はほとんどが
他社による広告を認めていません。
御多分に洩れず、
この会社も他社による広告は全て
禁止。インターネットもチラシも
すべて厳禁という会社です。
理由は、自社で広告しているから。
他社にお客様を取られたくないと
いうのが理由です。
まあ、自社で営業マンを抱えている
わけですから、当然といえば当然。
他社が持っていない情報で集客する
というのは常道です。
それ自体は間違っていません。
しかし、現実は、そのやり方で売れ
ていないということ。
問題はここです。
やり方が正しければ、
結果がでるはず。
結果が出ないということは、
やり方が間違っているということです。
確かに、以前はそのやり方で効果が
ありました。
仲介業者の売り方は、
他社の持っていない未公開情報で
お客様を集客して、煽って売るという
のが一般的。それで、十分効果があり
ました。
しかし、今はそのやり方がなかなか
通用しない。
お客様の購買パターンが変化していて
昔のやり方が通用しなくなっている
のです。
やっかいなのは、
それでも時々そのやり方で
決まるお客様がいること。
だから、なかなかそのやり方から
抜け出せないということです。
実際、広告を解禁しましょうという
簡単な改革でも、素直に取り組める
会社は、５社に１社ぐらい。
大抵は、拒否されます。
拒否される理由は、主に二つ。
ひとつは、
そんなことしたら他社にお客様を
持っていかれるため自分たちの優位
性がなくなるというもの。
そしてもうひとつは、
物件が晒しものになって、もっと
売れなくなるというものです。
最初の反論に対しては、
期間を定めて徐々に公開していけ
ばいいだけの話。
自社で先に広告してから、
徐々に他社でも広告させれば
自社の優位性は損なわれません。
逆に期間を限定して他社でも公開
させることでお客様の決断を促す
こともできます。
もうひとつの反論については、
物件が晒しものになることと売れな
いことに因果関係はありません。
売る方がそう思っているだけ。
未公開物件という餌で集客している
ため、未公開物件という餌に釣られ
るお客様ばかりを扱っているので、
そう思うわけです。
未公開物件という餌に釣られるお客
様は、未公開物件以外には全く価値
を見出しません。
どんなに物件が良くても、
どんなにお得な物件でも、
市場に出回っている物件は価値のない
ものという意識があるため、反応しま
せん。
客層が違うのです。
同じ物件がいろんな不動産会社から
広告されているというのは、
お客様によっては、
それだけ人気のある物件という判断
をする人もいます。
はじめて不動産を購入するという人で
不動産業界の仕組みも何もわからない
という人、すれていない人、素直な人
はそんな人です。
そんな人の購買パターンに乗るには、
より多くの広告媒体で広告することが
最も効果的。試してみるべきです。
この会社の場合は、
最終的には広告を解禁しました。
結果はというと、
それから約１ヶ月で完売。
地元の大手不動産会社が客付けして
きました。
もちろん、いつもこの方法でうまく
いくわけではありません。
しかし、うまくいくこともあるのは
事実。今までの苦労はなんだったんだ
ということがよくあります。
大切なことは、
今までのやり方でうまくいかない時
は違うやり方を試してみること。
間違っていても構いません。
何か違うやり方を試してみることです。
そうすると
そこから化学変化が生まれる。
なぜかはわかりませんが、
流れが変わることがあります。
習慣を変えることは大変ですが
変えてみることで新しい世界が見える
ことはよくあります。
あなたも積極的に変えてみませんか。
意外なほど簡単に悩みから解放される
ことがありますよ。