男性にウケる物件か、女性にウケる物件か。


建売業者には2つのタイプがあります。

ひとつは、投機型。
もうひとつは、堅実型。

投機型というのは、建物や商品企画
より土地価格を重視するタイプ。

いくらで仕入れられるか、という
仕入れ価格を重視する業者さんで、
建物は下請け業者に丸投げ。土地も
建物価格も安いことが重要。

不動産業出身の業者さんに多く見ら
れるタイプです。

それに対して、堅実型は建物や商品
の企画を重視するタイプ。

土地よりも建物のクオリティを重視
するタイプで建築業出身の業者さん
に多く見られます。

どちらがいいとか悪いとかいうわけ
ではありませんが、

これからの時代を考えると
特に投機型のタイプの業者さんは
注意が必要です。

その理由は、2つ。
ひとつは、市場が完全に飽和状態
になっていること。

そして、パワービルダーの力が日に
日に強くなっていることです。

そのため、仕入れ価格はいつもギリ
ギリ。普通で考えればパワービルダ
ーに勝てるわけはなく、高値掴みを
していることになります。

それでもなんとかやっているのは、
景気のおかげ。

一歩間違えば、一気に崩壊します。
バブル、リーマンショックと同じ
憂き目に遭うことになるからです。

もうひとつは、お客様の趣味嗜好が
複雑になっていること。

最近はパワービルダーの物件でさえ
苦戦する時代。

ありふれた建物ではいくら安くても
売れない時代に入ってきているから
です。

他にも投機型の業者さんの問題は、
お客様が家を選ぶ基準を土地の広さ
や建物の広さ、駅からの距離など、
スペックで捉えていること。

スペックさえ良ければ買うだろうと
いう発想です。

まさに、男性が好きな買い方。
人は感情で買うのではなく理屈で買
うという左脳的な発想です。

不動産業界らしいといえば不動産
業界らしい考え方ですが、そろそろ
その考えは改めなければなりません。

もう理屈だけでは売れない時代だか
らです。

これから必要になってくるのは、
感情を刺激する物件。

左脳を刺激する価格や理屈ではなく
右脳を刺激する、
感情を刺激する物件。

男性脳を刺激する物件ではなく、
女性脳を刺激する物件です。

そもそも購買決定権を男性が持って
いるというのは間違った発想。

残念ながら、購買決定権を男性が
持っていたのは昔の話。

今は明らかに女性が持っています。

だから女性の気持ちを掴む物件を
つくることがヒット商品の条件。

建売業界も同様です。

土地さえ安く仕入れられれば
売れる時代ではありません。

そこにどんな建物を建てるか、
どんな生活が提案できるかで
売れるかどうかが決まる時代です。

中小建売業者さんは、
特に心がけるべきですよ。