仕入れの失敗は建物で補える。


クライアント先の社長から
仕入れ担当者について、相談があり
ました。

その会社のエースともいうべき
仕入れ担当者。

その担当の業績がかんばしくない
というのです。

担当者は、昔ながらの人間関係を
重視するタイプの営業マン。

夜のクラブ活動?を通じて人間関係
を深め、物件を探してくる人です。

それはそれで、彼の特技ですから
他人がどうこういうことはないの
ですが、正直、最近の成績は良く
ありません。

その理由は2つ。

ひとつは、人間関係重視でやって
きているため、付き合いで買って
いる現場が多いこと。

いい物件を仕入れるためには相手が
困っている物件も仕入れてあげなき
ゃ・・・という彼なりの考えのよう
です。

これについては賛否両論ありますが、
彼の長期戦略なので、今はなんとも
言えません。

ただ、現実はというと
付き合いで買った物件はほぼ全てが
不良在庫になっているということ。
経営の足を引っ張っているのは間違
いありません。

もう一つは、
彼が建売住宅が売れるかどうかは、
仕入れ価格か、物件の場所で決まる
と思い込んでいることです。

要するに、建物については重要視し
ていないということ。

そこそこの建物さえ建てておけば
売れ行きに影響はないと考えている
ことです。

そのため、彼の担当する物件は、
建物はいつもフツー。これといった
特徴のない物件ばかりです。

たいていは、
パワービルダーのような建物か、
ハウスメーカーを利用した建物。

とりわけ彼の頭の中では、
ハウスメーカーを利用して建ててお
けば、ブランド力で売れるという強
い思い込みがあります。

ただ、ハウスメーカーで建売住宅を
建てたことのある業者さんならわか
ると思いますが、ハウスメーカーの
ブランド力というのは、思っている
ほど大したことはありません。

「◯◯ハウス施工です」といっても
「あっ、そう。」という程度。

それが決め手になることは、
思っているほど多くはありません。

正直、ブランド力で価格の上昇分を
補えるかというと微妙なところです。

ただこれは、実際にお客様に聞かな
いとわからないこと。

お客様が購入の決め手にしたのは何か
を聞かないとわからないことです。

それができていない建売業者さんが
ほとんど。実際、この仕入れ担当者と
同じような人はたくさんいます。

そのため、自分の思い込みが間違っ
ていることに気づかない。

間違った答えを信じてビジネスを続
けている人が多いのです。

もちろん、過去には直接お客様に聞
いたこともあるのかもしれません。

しかし、時代や世の中のトレンドに
よって答えは変わってきます。

ですから、常にお客様に本音を聞く
ことが重要なのです。

これがわからないとピントがずれた
物件をつくることになってしまう。

せっかく仕入れた土地が活かせなく
なってしまうのです。

土地を生かすも殺すも、建物次第。

仮に、土地の仕入れを失敗しても、
お客様がどんな家を欲しているのか
がわかれば建物で挽回できます。

チャンスは二度あるということです。

大切なことは、お客様が購入を決めた
理由を常にリサーチすること。

プレゼントや謝礼を払ってでも
購買の決め手や理由、
購入のきっかけは聞いておくことです。

これさえ把握しておけば
仕入れで失敗する確率は格段に下がり
ます。リスクの少ない建売住宅をつく
ることができます。

お試しください。