時代遅れのビジネスモデルになっていませんか?


大塚家具のお家騒動が面白おかしく
報じられていますが、

対立の構造をビジネスモデルで見て
みると、どちらのビジネスモデルが
優れているのか、よくわかります。

まず、会長(父親)のビジネスモデル。

会員制の対面販売。
高付加価値(高級)商品の販売。
大型店舗を使って、お客様ひとり
ひとりに担当者をつける売り方。
集客方法は、新聞折込チラシが
メインという方法。

現社長(娘)のビジネスモデルは、
気軽に立ち寄れる低・中価格品に
シフト。その分の減収を経費削減
で賄うという方法です。

どちらが今の時代にマッチしている
かということですが、

私は現社長のビジネスモデルが
正しいと思います。

その理由は、3つ。

一つ目は、集客方法。
会長の集客方法は新聞折込による
チラシ戦略。

店舗周辺に大量のチラシを撒いて
集客するという方法ですが、これが
機能していません。

そもそも新聞購読者数は、
1987年をピークに減少しています。
1987年と比べると現在の新聞購読者数
は約40%も減少しているのが現実。
とてもこの集客方法では従来のような
集客は不可能です。

2つ目は、時代認識。
1995年当時、ニトリと大塚家具の
売上は同じ規模でした。しかし、
2001年にニトリが大塚家具を抜くと、
その後は差が開くばかり。

2013年にはニトリの売上は約3840億円。
大塚家具の売上は560億円。その差は、
約7倍にも達しました。

いかに時代が低価格商品に向かって
いたかがわかります。

そして3つ目が収益性。
大塚家具とニトリで最も大きく違うの
は販管費です。

大塚家具の場合、販管費は売上の50%
以上。(ニトリ35%程度)しかも、
その大半は賃借料と人件費です。

つまり、大塚家具は巨大店舗と対面販売
というコストがかかる経営で、しかも
そのほとんどが固定費という、売上を拡
大しなければ利益が出ない(売上が拡大
しなければすぐに赤字)という収益構造
になっています。

ちなみに、大塚家具の営業利益は、
平成25年で1.5%。(ニトリは16.3%)
10万円の家具を販売して利益が1500円
しかない計算になります。

これを見れば、いかに会長(父親)の
経営方針が時代遅れのものかは、
一目瞭然です。

ビジネス環境は知らぬ間に変わって
いきます。昨日まで通用していた方法が
ある日突然、通用しなくなります。

それは、建売業界でも同じ。
大塚家具のような出来事は決して他人事
ではありません。

あなたの会社のビジネスモデルはどう
ですか?

時代に適応したビジネスモデルに変化
していますか?

たまには冷静になって
これからの時代を考えることも必要です。