建売業界が抱える危機とは?


マクドナルドのお客離れが深刻なよう
です。

ある記事によれば、
今年1月の既存店売り上げは39%減、
2月以降も回復の兆しはなし。

2001年の上場以来、最大の落ち込み
となっているようです。

理由として、まず思い浮かぶのは、
チキン問題。そしてビニールの切れ端
問題ですが、どうやら問題はそう簡単
なものではないようです。

というのも、それらの問題が起こる
以前からその兆候があったからです。

ある調査によれば、
いつ頃から利用頻度が減ったかという
質問に対して、多かったのが「半年から
1年前」という人と「1年から3年前」
という人。

つまり、チキン問題が発覚する前から
徐々に客足は鈍っていたということ
です。

それが、チキン問題を機に一気に爆発。
現在のような深刻な客離れを起こして
います。

では、マクドナルドから離れたお客様
はどこに行ったのか?

その答えが、コンビニエンスストア。

大手コンビニエンスストアが100円
コーヒーをはじめたことでお客様が
一気に流れてしまいました。

それとともに、もうひとつ重要なのは、
そもそもマクドナルドを利用していた
お客様の4人に1人が外食を利用しな
くなったと答えていることです。

つまり、お客様自体が市場からいなく
なったということ。構造的な問題がそ
こにあるということです。

これは、建売業界も同じ。

今まで建売住宅を購入していた客層が
徐々に離れていっています。

ある人は、新築マンションに。

また、ある人は中古マンションを
リノベーションして。

そしてまたある人は、
中古住宅をリノベーションして。

こんな風に、従来なら建売住宅を購入
していたお客様が他の選択肢を選ぶよう
になっています。

それでもまだ、今はマシな方。
この状態はこれから悪化することは
あっても良くなることはありません。

すでに、住宅市場は飽和状態。
1998年から2013年までのわずか15年間
で約1,000万戸も住宅ストックは増えて
います。

それに伴い、空き家問題が深刻化して
いるため、政府は真剣に中古住宅市場の
整備をはじめました。

そうなると、これからますます新築住宅
販売は苦しくなります。

気がつけば、新築はダサい、中古住宅を
リノベーションして住むのがオシャレで
エコ、という時代が来ても不思議ではあ
りません。

そうなると今のマクドナルドと同じ状況
を迎えます。

大切なことは、将来を見据えた経営を
すること。他業界で起こったことを
自分の業界に置き換えて考えることです。

あなたは10年後、20年後を見据えた経
営をしていますか?

商品企画は今のままで大丈夫でしょうか?
今のままの仕入れ、販売体制で中古住宅
市場に勝てるでしょうか?

もし、会社を長く存続させたいなら
長期戦略は重要です。

そろそろ、真剣に考えるべき時期が来た
のかもしれません。