好業績に惑わされるな。


私がクライアントに提唱するのは、

値引きしないで売れること、
完成後1ヶ月以内に完売できること、
毎年、安定して売上が達成できること、
そして、建売住宅と言えば◯◯◯◯、
と呼ばれる地域ブランドを築くことです。

そのために、何をすべきか。
それを考え、コツコツ目標に向かって
やっていくことです。

が、なかなかこれがクライアントに
伝わらない。

すべての目標を達成する前に、
満足してしまうクライアントが多い
のです。

あるクライアントの場合。

従業員6人ほどの小さな会社なのですが、
今期は売上絶好調。

久しぶりの好業績で、
社内はいつのまにか、浮かれ状態。

社長をはじめ社員も飲みに行く回数も
増え、クルマもいつの間にか高級車に。
まさに、この世の春。

この会社に関しては、バブルが再来
したような状態です。

ただ、現実の売上を見ると
安心ばかりもしてられません。
たまたま売れた現場がいくつかあった
だけ。

1年以上売れ残っている現場も
数件あり、売れるメドもありません。

本来であれば、調子のいい時に損切り
してでも処分しなければならない現場
なのですが、

好業績だからでしょうか、
そのうち売れるとの判断から
何も手を打っていません。

他にもコンサルタントの立場からは
好業績だからやっておかなければ
ならないことは山積み。

ムダな税金を払わないためにも、
将来、安定した収入を生むためにも
必要最低限の設備投資やシステムは
改善しなければなりません。

当然、そんなアドバイスはするのですが
これが、なかなか聞き入れてもらえない。

長年の経験から
「だから、あの時言ったでしょ!」
と言う日が来るのは目に見えているの
ですが、伝えるのは本当に難しい。

実際、この会社の場合も
売り方のシステムが根本から変わった
わけではありません。

ビジネスモデルは、昔のまま。
ビジネスモデルを変えようとしていた
矢先に、たまたま波が来てしまった。

社長自身が今のままじゃダメだと
思い、コンサルタントを雇い、
これから変わるぞ、と行動を起こした
途端、流れが変わってしまった。

現実には、まだ何もシステムが変わった
わけではありません。

変わるぞと意識を変えただけ。
そして、小さな一歩を踏み出しただけ。

大切なことは、
その一歩を歩み続けることなのですが
好業績がかえって邪魔をしてしまう。

商売って不思議です。

この会社がどうなるかは、
社長がどの時点で今の状態に気づくか。

そして、好業績になる前の精神状態に
戻れるかにかかっています。

あなたは、
好業績に浮かれていませんか?
本当の目標に向かって進んでいますか?

今年、業績がいいからといって
来年も再来年も続くとは限りません。

大切なことは、
毎年安定した売上が達成できる仕組み
をつくること。

そのために、歩み続けることです。

業績のいい会社ほど
考えてみるべきかもしれません。