選択肢を増やすことは売上につながるのか?


建売住宅や建築条件付きの売地の販売で
よく建売業者さんが陥るのが、選択肢の
罠です。

選択肢の罠とは、
カラーセレクトや商品セレクトをたくさ
ん用意すること。

一生懸命に差別化を図っている業者さん
ほどよく陥る罠です。

どんな罠かというと、
選択肢を増やしすぎることでかえって成
約率やクレームを増やすこと。

お客様のためを思ってやっていることが
アダになってしまうことです。

とりわけ、建築条件付きの土地の場合は
それが顕著に現れます。

キッチンが数種類のメーカーから選べる
お風呂の数種類のメーカーから選べる
玄関ドアの色もデザインも、
壁紙にいたっては数千種類の商品から選
べる

と、まさに至れり尽くせり。
お客様にとっても一見うれしいことのよ
うに思えるのですが、実はそうではあり
ません。

なぜなら、
ジャムの法則が働くからです。

あるスーパーでジャムの試食会をしまし
た。店頭で6種類のジャムを用意した試
食会と24種類のジャムを用意した試食会
をしたのですが、

6種類のジャムの試食会では、
お客様の約40%が試食会に参加しまし
た。

それに対して24種類のジャムの試食会で
は参加したお客様の数は約60%。

これだけを見ると選択肢が多い方がいい
ように思えます。

しかし、実際に試食会後にジャムを購入
した人の数は、

6種類のジャムの試食会では、約30%の
人がジャムを購入。

それに対して、24種類のジャムの試食会
でジャムを購入した人の数はわずか
3%。

実に、10倍もの差が出たのです。

つまり、選択肢が多すぎるとお客様は
選ぶのにストレスを感じて購入しないと
いうこと。

選択肢を増やしすぎることはかえって成
約率を下げることになるということで
す。

もちろん問題は成約率だけではありませ
ん。クレームの増えます。

選択肢が増えるということは、それだけ
お客様の悩みが増えるということ。

営業マンに対する相談も増えますから、
うまくいけば人間関係が深まりますが、
連絡などのコミュニケーションを失敗す
ると一気に信用を低下させることにもつ
ながります。

実際には、人間関係が深まるよりは信用
を低下させることの方が圧倒的に多いも
の。

ここでもお客様のためを思ったサービス
が裏目にでます。

選択肢を増やすことは、必ずしもプラス
に働くとは限りません。

選択肢を増やす場合は、そこのところく
れぐれも注意して選択肢を増やしましょ
う。諸刃の刃ですよ。