地域特性を考慮していますか?


大阪都構想の住民投票の結果がでまし
た。大接戦だったようですが、興味深い
ことは、大阪市の南北でその結果に大き
な違いが出たことです。

大阪市北部は「キタ」で知られる繁華
街。オフィス街の梅田や大阪駅、北新
地、北浜、淀屋橋などを中心とした地帯
で、大阪随一のビジネス街・官庁街(市
役所・府庁在所)だそうです。

一方、大阪市南部は「ミナミ」で知られ
る歓楽街。難波、心斎橋、天王寺、新世
界(通称)などを中心とした雑多な商業
集積地帯。映画やドラマの中のイメージ
で登場する「大阪」は、この「ミナミ」
を中心とする大阪南部一帯を指すようで
す。

北と南の違いをひとことで言えば、
高所得な人の住む「北」と
低所得な人の住む「南」の違いというこ
と。街並みも大きく違うようです。

まあ、生活水準が違えば考え方が違うの
も当然。求めるものも違います。

これが地域特性というものですが、
これは私たち建売住宅の販売に携わるも
のも注意しておかなければいけません。

なぜなら、ひと駅違うだけで今まで売れ
ていた商品が全く売れないということに
もなるからです。

多くの建売業者さんが販売エリアを拡大
する傾向にあります。

たまたま仕入れることになった土地が
いつものエリアと違っていた、

事業拡大のために、新しいエリアに進出
したい、など理由は様々ですが、

エリアが変わっても同じように売れると
考えるのは早計。エリアが変われば売れ
行きは変わると思って、しっかり調査す
ることが重要です。

エリアが変わった途端に売れないという
場合、最初に考えられるのは、住民の所
得の違い。

そのエリアに住む人の所得によって家の
好みは大きく変わります。

そしてもう一つは、認知度の違い。

今までそのエリアで見かけたことのない
ような物件だと認知されるまでに時間が
かかります。

わかりやすいのが、デザイナーズ住宅。
ハイセンスなデザイナーズ住宅が建ち並
ぶ街なら難なく受け入れられますが、
それが珍しいエリアであれば、興味はあ
ってもなかなか手が出せないというのが
普通。

住民に受け入れられるためには、広告宣
伝などで何度も告知することが重要にな
ってきます。

大切なことは、地域特性があるというこ
とを十分わかった上で、エリアを広げて
いくこと。

ついつい今戦っているエリアで成功する
と他のエリアでも絶対に成功すると思っ
てしまいますが、そこが落とし穴。

どんなにいい商品でも、地域が変わると
全く売れないということはあります。

商品が悪いから売れないのではありませ
ん。その商品を買えない人が住んでいる
から売れないのかもしれません。

または、商品の良さが十分に伝わってい
ないからかもしれません。

どちらにしろ、必要なのは事前調査と
忍耐。エリアを拡大する場合はこの2つ
が鍵です。

そこのところお忘れなく。