将来の売上を決定づけるものとは?


アフターサービスの重要さはいろんなと
ころで言われていますが、建売業界では
イマイチその重要さが理解されていませ
ん。

アフターサービス=面倒なこと
アフターサービス=損すること

というイメージがあるからでしょう。

実際、忙しい現場を抱える社員にとって
引き渡しを終えた物件にかかわるのは苦
痛以外の何ものでもありません。

しかし、売上に関してはこれが将来の大
きな種になります。

それを経営者が理解しているかどうか、
それによってアフターサービスへの取り
組み方は大きく変わってきます。

あなたは、世界ナンバー・ワン営業マン
と言われる、ジョー・ジラード氏をご存
知ですか?

ジョー・ジラードは『ギネスブック』
で“世界一の営業マン”に認定されてい
る伝説の人物。

彼が1973年に売った自動車は1425台、
1ヶ月での最高販売台数174台という記
録は今も破られていません。

驚くべきは、この数字がすべて個人相手
の販売であり、法人向けの一括販売は含
まれていないことです。

なんと彼は15年間で1万3001台の自動
車を売ったのです。

下記は、ハーバード・ビジネス・レビュ
ーに掲載された彼のインタビュー。

参考になるので、ぜひ読んでください。

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Q:あなたは月平均6台以上のペースで
10年以上も売り続けてきました。
どうしてそんなことが可能だったのでし
ょうか?

ジラード:私と取引すると手に入るのは
自動車だけではありません。

私という人間も一緒についてきます。
お客様へのサービスには骨身を惜しみま
せんでした。

もう1台を売る暇があれば、アフター・
サービスに徹しました。

2、3年もすると、事務所はいつもおお
わらわでした。

私に会いたいというお客様が押し寄せて
きたからです。

生意気ですが、予約制にしました。
他のディーラーにのところにいけばすぐ
買えるものを、わざわざ一週間待ちでい
らっしゃるのは、私から買えば、仮に欠
陥車に当たっても問題ないことを、みな
さんご存知だったからです。

アフター・サービスで待たされるのは、
だれだってうんざりでしょう。

私はアフター・サービス部門まで部下を
走らせて、お客様が修理工場に車を運び
込んでくる頃には、3、4人の修理工が
工具箱を手に待ち構え、25分以内に修
理を終わらせるようにしていたもので
す。

たまに、15〜20ドルの部品代がかかる
ことがありました。当時としてはけっし
て安くない金額です。

お客様に「いくらかね」と聞かれたら、
「結構ですよ。私はお客様のことが大好
きなんです。またいらしてください」
と答えていました。

こんなサービスを受けたら、次の車に買
い換える時、どこへ行きますか。

もう他のディーラーから買おうなどとは
思わないでしょう。

クチコミ、これが商売繁盛のコツです。
よい評判が広まれば、必ず返ってきます。
悪い評判が立てば、逆に痛い目に遭
います。

また、なぜ修理工がすぐ動いてくれたか
というと、私は彼らが大好きで、それを
日ごろから態度で示してきたからです。

しゃれた料理店と契約し、毎月第三木曜
日にはアフター・サービス部のスタッフ
から修理工、部品係に至るまで、全員を
夕食に招待していました。

同じテーブルで食事をし、どれほど感謝
しているか、どれほど大切に思っている
か、感謝の気持ちを伝えました。

また、年に一度は自宅でバーベキュー大
会を開いて、アフター・サービス部の全
員とその家族を招いて、一家総出で歓待
しました。

本当は、いずれも経営者が考えるべきこ
とです。

どの会社にもサービス担当者がいます。
彼ら彼女らこそ、大事に扱うべき人たち
なのです。

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いかがですか?
さすがに世界ナンバー・ワン営業マンだ
けのことはあります。

しかし、これは彼にしかできないことか
というと決してそうではありません。

ある意味、誰にでもできること。
誰でもやろうと思えば今日からでもでき
ることです。

そんな簡単なことができるかどうか、
それがトップを走れる人と走れない人の
違いです。

あなたの会社のアフターサービスはどう
ですか?自慢できるアフターサービス体
制になっているでしょうか。

将来の売上はアフターサービスで決まる、
そう感じさせる事例です。