差別化が難しいな、と感じたら。


日経MJによれば、トンボ鉛筆が昨年4月
に発売したシャープペンシル「モノグ
ラフ」の売れ行きが好調だといいます。

1本350円という中価格帯の商品で、
同社としては近年異例の年間100万本
以上の売り上げを達成しました。

シンプルなデザインが社会人などに支持
されているほか、「MONO」ブランド
で強みを持つ消しゴムの機能性を強調し
た点が受けているといいます。

モノグラフは本体の後部につけた回転繰
り出し式の消しゴムが特徴のシャープペ
ンシル。

直径5・3ミリメートル、長さ26ミリ
メートルの消しゴムを内蔵し、グリップ
を回すと消しゴムが伸びます。

通常のシャープペンシルに付属する消し
ゴムの6・5倍の字消しができ、替え消
しゴムも用意しています。

シャープペン市場では三菱鉛筆の「クル
トガ」など、芯を出す機構を工夫した商
品がシェアを獲得していますが、その中
でトンボ鉛筆は、得意とする消しゴムで
独自性を出しました。

好調の原因は「シャープペンの必需品で
ある消しゴムを持ち運ばなくてよい手軽
さが支持されている」と同社は捉えてい
ます。

シャープペンのメイン機能は「書く」こ
とです。しかし、「モノグラフ」はそこ
が主要な差別化にはなっていません。

「メイン機能」である「書く」ことにつ
いては他のシャープペンと同じですが、
「サブ機能」である「消す」機能を強化
することで利便性を高めました。

ポイントは、「サブ機能」で差別化を図
ったところです。

もちろん、「メイン」機能で差別化でき
るにこしたことはありません。

しかし、「メイン」機能は、誰しもが頑
張って改良・開発しますから、競合が厳
しいこともあるでしょう。

すぐにマネされて差別化が続かないとい
うこともあるかもしれません。

そういう場合は、「モノグラフ」のよう
にちょっと視野を広げて、「サブ」の機
能だったり、「周辺部分」で差別化でき
ないか、ということを考えてみる手もあ
ります。

これは、そっくりそのまま建売業界でも
応用できます。

建売業界もシャープペン市場と同じで、
差別化が難しくなってきました。

実際、住宅設備などはどこもほとんど同
じ。一次取得者用の建売住宅では、機能
もメーカーもライバルと同じということ
は珍しくありません。

そうなると勝負を分けるのは立地や価
格。ライバルと比べて立地や価格で勝
てればいいですが、いつも勝てるとは
限りません。

そんな時は、サブ機能、周辺部分で勝
負しましょう。サブ機能、周辺部分とは、
例えば、外構などの部分です。

大手不動産会社などがよくやる手です
が、建物は外構を変えるだけで雰囲気は
一気に変わります。

また、センスさえ良ければコスト以上の
価値を与えられるのも外構のいいところ
です。

もしあなたがメイン部分での差別化に困
っているなら、サブ機能、周辺部分での
差別化を考えましょう。

メイン部分を変えるよりカンタンに差別
化できるかもしれませんよ。