いい家なのに売れない家とは?


いい家なのに売れない家というのがあり
ます。

先日も社長以下、スタッフが必死になっ
て企画した家が売れませんでした。

企画した当初は、スタッフ一同自信満々。

今度の家は即日完売間違いなしと意気込
んでいたのですが、ふたを開けてみると
ピクリとも動きません。

あれだけべた褒めだった仲介業者も完全
に沈黙。案内すら入りません。

業を煮やして、大々的にチラシを撒いて
みたものの事態は変わらず。

3ヶ月たっても1件も売れない有様。
今ではお通夜のような会社になっていま
す。

物件自体は、決して悪い家ではありませ
ん。正直、かなりコストもかけてある
家。即日完売となっても不思議ではあり
ません。

それにも関わらず、売れないのはなぜ
か?

その原因を知りたいということで私に相
談がありました。

早速、現地を見てみたのですが、
立地、価格帯、建物のグレードとも決し
て悪くはありません。

むしろ、競合する物件よりは勝っている
くらい。しかし、「コレ!」という特徴
のない物件。そう、インパクトの残らな
い物件なのです。

全体的なレベルは悪くないけど、どうし
てもこの物件にしたいという個性のない
物件。その割には、コストがかかってい
るため、価格は安くはない。

そのため、どうしてもこの物件にしたい
という欲求が湧いてこないのです。

原因は、ターゲットの設定が甘いこと。
どこの誰に売りたいのか、が見えてこな
いことです。

これは、この物件に限ったことではあり
ません。建売業者さんのほとんどが陥る
落とし穴。

誰からも好かれるような物件を作ろうと
して、誰からも強烈な支持を得られない
物件をつくってしまうパターンです。

中途半端に建物のグレードをアップして
いるせいで全体的なコストが上がってし
まい、価格的な魅力も感じられない物件
です。

まあ、昔から建売住宅を販売しているベ
テランの業者さんによくあるパターン。

過去、そんな物件でも売れた実績がある
ためにその呪縛から抜けられない、そん
なパターンです。

大切なことは、もっとターゲットを絞る
こと。どこに住んでいるどんな人を対象
にしているのか、そのお客様は一体どん
なことに悩んでいるのか、その悩みを解
消する家はどんな家なのか?を考えて商
品企画を練ることです。

ターゲットを絞るのは勇気がいる作業。
しかし、今のように物件が溢れかえって
いる時代はその作業が最も重要です。

そのためには、普段からお客様の声を聞
いておくことが大切です。

直接聞くことはもちろんのこと、直接聞
けない場合は、ターゲットとする見込み
客が読む雑誌などで情報収集するのがオ
ススメです。

売れない物件に共通するのは、売りたい
お客様への調査不足。

あなたは売りたいお客様の趣味嗜好を本
当に理解していますか?

まずはお客様の趣味嗜好を理解しましょ
う。商品企画はそれからです。