その値下げ、本当に効果ありますか?


先日、ある建売業者さんから相談があり
ました。

相談の内容は、値下げについて。

ある現場が思うように売れないので値下
げをしようと思うがどう思いますか、と
いう相談です。

聞くところによるとその現場は、6棟現
場。完成して3ヶ月になるのにまだ1棟
しか売れていないといいます。

場所は、比較的人気のあるエリア。
仲介業者からの前評判も良く、会社とし
てはかなり自信があったそうですが、ふ
たを開けてみるとさっぱり。

最近では、問い合わせの電話もめっきり
少なくなったといいます。

そこで値下げを考えているというのです
が、値下げしても売れるかどうか自信が
ないといいます。

思うように売れない現場に遭遇した時、
多くの建売業者さんが考えるのは、
価格が高いからではないか・・・という
こと。

売れないのは価格が高いから、
だったら値下げすれば売れるという発想
なのですが、

コンサルタントの立場から見ると、
大抵この発想は間違っています。

もちろん、明らかに高すぎるという物件
もあります。

最初から値下げを前提に、この価格で売
れれば儲けもの、という発想で価格設定
している業者さんもいます。

価格設定の方法にはそれぞれの売主さん
の考え方がありますから、否定はしませ
んが、この売り方には色々と問題があり
ます(この件に関してはまた別の機会に)。

そんな場合を除けば、
売れないのは価格のせいと思ってしまう
とムダな値下げを繰り返すことになりま
す。

なぜなら、値下げが効果あるのはその物
件が不動産市場で十分認知されているこ
とが前提だからです。

どういうことかというと、
値下げされた価格を見て魅力的だと感じ
るのは、その物件について以前から興味
を持っていて欲しいと思っていたお客様
だということ。

以前から欲しいという欲求があるお客様
だけが値下げされた価格に反応するとい
うことです。

もちろん、中には価格を下げたことによ
って多くのお客様の予算内に届いたとい
うこともあるでしょう。しかし、それは
最初の価格設定が間違っていただけのこ
と。値下げ効果とは別の問題です。

要するに、値下げ効果を最大限に発揮す
るためには、値下げする前にその物件の
存在をより多くの人に認識してもらう必
要があるということです。

その物件の存在、その物件の価値を十分
お客様に認知させ、欲しいという欲求を
高めた上で値下げするのが最も効果があ
るということ。

逆にこれができていないと、値下げして
も全く反応がない・・・ということにな
りかねません。

大切なことは、値下げする前に徹底的に
広告宣伝して物件の存在を認知させるこ
と。これが値下げを成功させる大前提で
す。

あなたは値下げ前に広告宣伝を徹底して
いますか?

ムダな値下げにしないために
まずは物件の存在、物件の魅力を徹底的
に伝えましょう。

値下げはそれからです。