短期的な成功と長期的な成功。


時々、いい本に出会うことがあります。
自分にとって役に立つ本。

悩んでいた答えを教えてくれた本。
思わぬアイデアをもたらしてくれた本。
そんな本に出会えた時は、心の底から幸
せを実感します。

では、私が幸せを実感する本が誰からも
同じ評価を受けているかというと決して
そうではありません。

Amazonの書評を見ると賛否が大きくわ
かれている本もたくさんあります。

私が感動した本なのに、星ひとつという
ことも少なくありません。

賛否がわかれるだけならまだしも、絶賛
されている本にもかかわらず天のじゃく
のように星ひとつをつけ、批判している
人もいます。

なぜこんなことが起きるのでしょう?

それは、その本に求めることが人によっ
て違うから。

作者が意図した人と違う人が読んでいる
からです。

実は、これと同じことはコンサルティン
グの現場でもよくあります。

コンサルタントの意図することと、
クライアントの望むことが違うこと。

一番多い違いは、
短期的な成功と長期的な成功。

長期的に安定した成功のノウハウを教え
るとたいてい失敗します(笑)。

もちろん、事前にクライアントさんには
このノウハウは長期的に安定した経営を
するためのノウハウです、ということは
お伝えしています。

その時は、納得されているのですが、
途中で続かないことがほとんど。

いつの間にかコンサルティング契約が解
除になってしまうということも少なくあ
りません。

原因は、成功を実感するまでの時間。

長期的に安定した経営を実現するための
ノウハウは成果が実感できるまでに時間
がかかるからです。

それを待てない人が実に多い。

家という大きなお金が動く業界だからで
しょうか、ぱぱっと、短期間に大儲けし
た人を見ているからでしょうか、じっく
り攻めることが苦手な人が多いように感
じます。

ただ、短期的に儲かるノウハウはあっと
いう間にすたれるもの。

誰でも簡単に真似できるノウハウは、
本当のノウハウではありません。

せっかく覚えても、儲かるのは一瞬。
また新しい誰でも簡単に儲かるノウハウ
を探さなければなりません。

誰でも簡単に儲かるノウハウを探し続け
る経営と、長期的に安定した売り上げを
上げるノウハウを極める経営。

あなたはどちらの経営を目指しますか?

もしあなたが後者を選ぶなら、必要なの
は忍耐。長期的な視野に立って努力を続
ける辛抱強さです。