これからの仕入れ担当に必要な力。


建売業界では、仕入れがすべて

という考え方が依然として強くあります。


どれだけ多く仕入れられるか、

どれだけ安く仕入れられるか、


これが評価の基準です。


確かに、大手パワービルダーであれば

これも仕方ないでしょう。


年間目標を達成するためには、まずは仕入れ

なければ売れないわけですから。


しかし、中小の建売業者さんが大手と同じこ

とをすると一気にリスクは高まります。


なぜなら、体力が全く違うから。


大手はいざとなったら資金力にものをいわせ

て在庫処分する力があります。


それに対して中小の建売業者にはそんな体力

はありません。場合によっては一気に屋台骨

が傾きます。


だからこそ、

仕入れは慎重であるべきなのです。


では、どうすればいいのか?


これからの時代は、

量から質へ仕入れを転換することです。


そもそも安い土地なんて

中小の建売業者に継続的に入ってくるという

ことはありません。


時々は、そんなラッキーもあるでしょうが、

継続的にというのは今のような情報化社会で

は困難。


仕入れ担当者が

安いと思っているだけ、

安いと思わされているだけ、

ということがほとんどです。


冷静に考えると当たり前なのですが、

当事者になるとそれが冷静に考えられない。


では、冷静に考えられるようするには

どうしたらいいのか?


それは、仕入れ担当者が販売まで責任を見る

体制に変えることです。


要するに、販売まで任せるということ。

仕入れっぱなしにさせないということです。


用地を仕入れたら企画から販売まですべてを

その担当者にさせる。


一見、非効率に見えますが、効果は絶大。

一気に仕入れ担当者の能力が上がります。


大切なのは仕入れ担当者が、


どうすれば売れるのか?

どんな物件が売れているのか?


ということを体系的に知ること。

肌で感じることです。


実際、私がコンサルティングする時は、

チラシや広告の作成にも仕入れ担当者を

参加させます。


その物件を売るには、

どんなキャッチコピーがいいのか?

その物件は競合と比べて何が勝るのか

何が劣るのか?

どの部分をアピールしたら売れるのか?

自分だったらその価格で買うか?

自分の子どもや友人に勧められる家か?

を考えてもらいます。


そうすることで、

現実を直視し、

甘い考えを捨てさせ、

売れるポイントを体感してもらうのです。


確かに、どこよりも安い土地であれば売るの

は簡単です。


しかし、そんな土地であればあるほど

安売りしないで高く売るのが商売の鉄則。


安く仕入れられた土地ほど利益率が最大にな

るよう最高値で売ることです。


そのためには、仕入れ担当者が高く売る技術

を習得することが大切。


それさえ身につければ、

安くなくても「売れる土地」を仕入れること

ができるようになります。


安い土地を、安く売るのは誰でもできます。

安い土地を、高く売るには技術が必要です。


中小建売業者にとって、

安く仕入れられる土地は多くはありません。


だとすれば、

安い土地ほど高く売りましょう。


そして、そのためには

仕入れ担当者が高く売れる技術を学ぶこと。

販売能力を磨くことです。


それが中小建売業者が会社を発展させる

唯一の方法です。