ラオックスに学ぶ、ターゲットの重要性。

 

先日、ある記事を読んでいたら家電量販店

ラオックスのV字回復の話が出ていました。


1930年創業のラオックスは、テレビや冷蔵

庫、洗濯機などの家電製品を取り扱う秋葉原

を代表する家電量販店。


家電やパソコンの普及で、ピーク時の2001年

3月期に売り上げは2100億円達成。


しかし、他の量販店との競争が激化。

それまでの過剰な出店が裏目に出て、2000年

代半ばには経営不振に陥っていました。


そのラオックスが中国の大手家電量販店、

蘇寧電器集団(現・蘇寧雲商集団)の傘下に

入ったのが2009年。


以来、紆余曲折はあったものの、今や日本国

内で訪日外国人向け免税店として最大規模を

誇るまでに復活してきました。


2014年12月期の連結売上高は前年の1.5倍に

増え500億円を達成。純利益は12億円と、実

に14期ぶりの黒字を確保したといいます。


今期(2015年12月期)の純利益は、その約7

倍の83億円にまで拡大する見通しで、長い停

滞を経て、復活の道筋を付けたと言っていい

でしょう。

復活の立役者は羅怡文社長。

2009年にラオックスの社長に就任して以来、

経営の再建に奔走。ターゲットを来日する外

国人(特に中国人)に絞り出店を加速しまし

た。


訪日外国人の多くが羽田空港や成田空港から

東京に入り、富士山や京都の寺院を回って、

最後は大阪の関西国際空港から帰る「ゴール

デンルート」をたどる(その逆もある)のを

熟知し、東京ならば秋葉原・銀座・新宿、大

阪では心斎橋・道頓堀・日本橋と訪日中国人

が買い物にやってくるエリアに大型店を配置。


ゴールデンルートの入り口と出口をきっちり

と押さえ、爆買いの受け皿となってきたので

す。


ラオックスV字回復の要因はいろいろ考えら

れますが、最も大きな要因はターゲットを絞

ったことでしょう。


ターゲットを中国人に絞ることによって、

他の家電量販店との競合を避けました。


もちろん観光客相手ですから、景気の変動を

受けますが、利益率は他の家電量販店より大

きくなります。


その上、ターゲットを絞ることで接客、品揃

えなど他の家電量販店を圧倒できます。


2020年の東京オリンピックに向け、観光客は

益々増え続けることが考えられますから、し

ばらくは安泰でしょう。


さて、これは家電量販店の話ですが、

建売業界はどうでしょうか?


なかなかターゲットを絞り込めていないとい

うのが中小建売業者さんの現状ではないかと

思います。


よく、うちの物件は一次取得者用の物件です

という建売業者さんがいますが、これではタ

ーゲットを絞っているとは言えません。


ターゲットを絞るというのは、具体的なお客

様を想定すること。ラオックスの例で言えば

中国人観光客。


ラオックスは、中国人観光客をターゲットに

して、その人たちがどんな行動を取るか、

何を求めているか、購入にあたってどんな不

満を持っているかを徹底的に調べました。


そして、それを補うような店舗を出店し

接客技術と品揃えを強化したのが功を奏した

のです。


建売住宅もまさに同じ。

具体的なターゲット(人物像)を絞り、

その人たちが何を好み、今の生活の何に不満

を持っているのかを徹底的に調査することで

売れる建売住宅をつくることができます。


あなたは具体的な人物が浮かぶくらい

ターゲットを絞っていますか?


ターゲットが具体的であればあるほど

家は売りやすくなります。


そこのところお忘れなく。