仲介業者に頼ってはいけない。


建売用地を仕入れると、用地を紹介してくれ

た仲介業者さんに専任媒介を要求されること

があります。


せっかくのご縁ですから、今後のことも考え

て専任媒介を結ぶのですが、これが結構くせ

もの。場合によっては、致命傷になりかねま

せん。


というのも、専任媒介を与えた不動産会社が

どの程度の営業力があるかわからないからで

す。


もっといえば、どれだけあなたの物件に対し

てお金をかけてくれるのか、どれだけ真剣に

売ろうとしているのかがわからないからです。


先日もあるクライアントさんが専任媒介を与

えて大損しました。


大手不動産会社から用地を仕入れたのです

が、仕入れの条件として専任媒介を要求され

ました。


大手不動産会社ということもあり、安心して

いたのですが、3か月経っても、半年経って

も一向に売れません。


その間、彼らがやったことは自社のホームペ

ージに掲載しただけ。レインズにも掲載はさ

れていましたが、他業者の広告掲載は禁止。

要するに、自社で客付までしようということ

です。


もちろん、それで売れればいいのですが、

当初彼らがこの価格ならすぐ売れますという

価格に下げても一向に売れる気配はなし。


しびれを切らして、レインズの他業者への広

告掲載禁止だけはやめさせたのですが、後の

祭り。


同じエリアでもっと安い物件が出てきたため

広告すらやってくれる業者はありませんでした。


最終的には、売れた場合に手数料3%を支払

うことで専任媒介を解消。売主自社で販売を

することになりました。


結果は、それからさらに4ヶ月。

一年近くかかってやっと売れました。


売れた価格は、購入価格とほぼ同じ。

仲介手数料とその間の金利を考えると大赤

字。儲かったのは、2度の手数料を取った

大手不動産会社だけという結果です。


正直、今の不動産仲介会社の営業力はほとん

ど期待できません。


彼らがすることは、ホームページに物件情報

を掲載するだけ。折り込みチラシを撒くこと

もポスティングすることもありません。


これは中小不動産会社も同じ。

問い合わせがあれば対応しますが、

問い合わせがなければ対応しないという

受動的な営業スタイルがほとんどです。


建売業者にとって必要なパートナーは、

販売戦略を持った不動産仲介会社。


あなたの建売住宅を購入するお客様を想定

し、お客様の住むエリアを絞り、お客様の

購買意欲を刺激する広告を作って、営業活動

してくれる業者です。


売れないのは景気のせい、

売れないのは価格のせいにするような仲介業

者や、そもそも営業力のない仲介業者では意

味がありません。


もちろん、そんな業者でも相手にしなければ

いけないこともありますから、その時は売主

が主導権を握ることが大切です。


売主自らが販売計画を立て、それに沿って

順次計画を実行していく。仲介業者の代わり

に売主がやることが自己防衛のためには必要

なのです。


仲介業者には頼ってはいけません。

今はそんな時代です。