ヒット商品は忍耐力から。


ロングセラーやブランド力を象徴する商品と

して、コンサルタントがよく利用するのが、

「カップヌードル」です。


昭和46年に登場してからすでに44年。

ずっとインスタントラーメンの分野でトップ

を走り続けています。


毎年のように何百という新しい商品が発売さ

れるインスタントラーメン。その分野でトッ

プを維持するのはたやすいことではありません。


それにも関わらず、トップを維持できるのは

何が原因か?というのがコンサルタントやマ

ーケティング担当者の興味の的。それがわか

れば、他の業種にも応用できるからです。


ロングセラーやブランド力を維持するにはい

ろんな要素が絡みますが、大きく分けると

2つ。商品力と広告力。


カップヌードルを見ているとそれが良くわか

ります。


商品に関しては、やはり時代に合わせて変え

るべきところは変えているといいます。


味や、カロリーなど。


しかし、あえて変えていない部分もあるのが

ロングセラーの秘密。


パッケージや調理方法などはあえて変えてい

ないといいます。そういえば、カップヌード

ルに限らすペヤングソース焼きそばなども

パッケージや調理方法はほどんどデビュー

当時のまま。ロングセラーには意外な共通点

があります。


一方で、大きく時代によって変えているのが

広告です。


その理由は、新しい客層を呼び込むため。

そのためには、新しい客層にあった広告が必

要になるので変わらざるを得ないそうです。


トップでいるためには、古くからの顧客と

新しい客層を取り込まなければなりません。


そのためには、カップヌードルを知らない人

たちへの広告活動が絶対的に必要になってき

ます。


そこで日清がしているのは、若い担当者に

広告作りを任せることです。


若者に突き刺さる広告は、若者に作らせる。

これが一番簡単で一番効果的。


そのため、新商品や新しい広告の発表会では

社長以下、役員は一切広告には文句をつけな

いといいます。


「カップヌードルのCM、私は笑えない」と

社長がいうくらいですから徹底しています。


しかし、これが大切。

社長が笑えるような広告は、狙った客層には

刺さらないからです。


それをこの会社のトップは心得ている。

だからロングセラーを続けられるのです。


実際、新しい広告を出すと、それまでのお客

様からは非難の嵐が起こるそうです。


「なっとらん」「日清らしくない」「スピリ

ッツも経営方針もない」と、もうボコボコに

叩かれるそうです。


しかし、それでいいといいます。

なぜなら、何か文句を言ったら、角が取れた

ものになってしまい、本当に訴求したい若者

に刺さらなくなってしまうから。


ロングセラーを続けるには、常にブランドを

若返らせることが必要。そのためには、変化

が必要。変化するためには、忍耐が必要なの

です。


建売住宅も同じ。

建売住宅を購入する客層は時代と共に趣味嗜

好が変わっていきます。そんなお客様を惹き

つけるには建物だけでなく広告も変える必要

があります。


そして、その広告はあなたが好きな広告とは

違います。しかし、それを受け入れなければ

新しい客層は掴めません。


そこで必要になるのが、忍耐力。

日清の歴代社長のように、理解できなくても

耐えましょう。


それが次のヒット商品につながります。