建売ビジネスは総合力の時代。


私が建売住宅専門のコンサルタントになろう

と思った理由のひとつは、この業界がまだま

だ一発逆転の可能性があるから。


小さな建売会社が、大きなパワービルダーや

大手不動産会社に勝てる可能性を秘めた業界

だからです。


裏を返せば、

それだけ遅れているということ。古い慣習に

支配された業界だということです。


具体的に言えば、売り方がどこも同じ。

経済が右肩上がりの時代と同じような、

売り手市場の売り方をしているところです。


その上、パワービルダーも中小零細の建売業

者も同じような建物を、同じような流通シス

テムで売っています。


これは、ハウスメーカーやマンションデベロ

ッパーなどの住宅産業とは大きく違うとこ

ろ。彼らは、販売についてかなり深いところ

まで考えていますが、建売業界はまだその部

分が手付かずです。


実は、ここに私は可能性を見出しているので

す。多くの建売業者さんは、用地仕入れが全

てだと思っています。


いかにいい場所を仕入れるか、

いかに安く仕入れるかが全てだと思っている

業者さんがほとんど。


確かに、用地仕入れはその後の販売を決定付

けますから、大事なことに変わりまありませ

んがそれが全てではありません。


トランプで例えれば、

用地仕入れは最初の札。


最初にどんな札が来るかで、ある程度の手は

決まりますが、手札が悪くてもその後の札に

よっては大きな手に変えることもできます。


それが、カードゲームのうまい人と下手な人

の違いです。


つまり、建売住宅も手札(用地)が悪けれ

ば、建物の企画や販売方法で手を良くすれば

いいということ。


最初の手札からは想像もできないような素晴

らしい手をつくることが可能だということで

す。


銀行が土地ころがしを嫌うのはここです。

金融庁からの通達もありますが、土地転がし

はノウハウではありません。ただのギャンブ

ル。だから儲かる時もあれば、儲からない時

もあります。


どんなに安く仕入れたつもりでも、金融情勢

や社会情勢、自然災害などが起これば一気に

相場は崩れます。


そんな時に必要なのは、その土地を売り切る

ためのノウハウです。


魅力的な建物を建てる企画力、売れる販売ノ

ウハウ、それらが蓄積されていなければ結局

会社は立ち行かなくなってしまいます。


建売会社の力は、4つの力で決まります。

価格力、商品力、流通力、販売力。


用地の仕入れは、価格力を高めるための一

部。あくまで一部です。これを強化するのも

大切ですが、商品力、流通力、販売力を強化

するのも「アリ」です。


いや、むしろココを強化した方が、他者がや

っていないだけ有利。効果が簡単に現れます。


勝負は総合力。

それぞれの力の掛け算です。


だから、弱い部分を少し強化するだけで

総合力は大きく変わります。


それを知っているか知らないか、

そして。実行できるかできないか、

で会社の成長は大きく変わります。


じっくり考えてみてください。