一世を風靡した建売業者が衰退する理由。


コンサルティングの現場でよく言われること

のひとつに、


「それって、あんまり好きじゃない」


という言葉があります。


その外観は俺の趣味じゃない・・・

そのインテリアは好きじゃない・・・

そんな設備は俺は必要ない・・・ 等々


要するに、社長が好きか嫌いか

もしくは、企画担当者が好きか嫌いか

で判断されることが多いということです。


もちろん、今までそれで成功してきた人たち

ですから、その基準が必ずしも間違っていた

わけではありません。


しかし、

これからもその判断基準で成功できるか?

というと疑問です。


なぜなら、

好き嫌いを判断する人と

購入する人の好き嫌いが

違う可能性が大きいからです。


はっきり言えば、

ベンツに乗っている建売業者の社長さんの

感覚と、子どもを抱えた30代の共稼ぎ夫婦の

感覚は違います。


社長がまだ30代で仕事に、子育てに奮闘して

いた頃と、ビジネスがある程度うまくいって

お金が回るようになってからでは、家づくり

に関する感性は同じではないからです。


もちろん本人はその感性は変わらないと思っ

ていますが、それを維持するにはそれなりの

努力が必要です。


購入する世代の人に直接話を聞くとか、

購入する世代の人が好む雑誌を購読すると

か、しっかり努力をしないと今買う人の感性

はわかりません。


実際、私もそれなりに努力しているつもりで

すが、頭では理解していても、心では「私の

趣味じゃないなぁ」と思うことばかり。


よほど、自分の好き嫌いを抑え込まないと、

購入する人の気持ちは理解できません。


初めて家を購入する人と

二度目の家を購入する人では

求めるものが違います。


料理をする人と料理をしない人では

求めるキッチンが違います。


子どもがいる人、

子どもがいない人、


ペットを飼っている人、

ペットを飼っていない人、


ご主人の収入だけで購入できる人と

共働きでないと購入できない人では

求めるものが違います。


時代が変わっても変わらないものもあれば

時代と共に変わるものもあります。


それをどうやって商品企画に組み込んでいく

かが、売れる建売業者と売れない建売業者の

違い。


そのためには、買う人の立場に立って考える

こと。簡単そうですが、これほど難しいこと

はありません。


まずは、購入者の気持ちは社長の加齢と共に

わからなくなると理解しましょう。(社長の

年齢が40代後半以降の会社は要注意です)


そして社長が好きか嫌いかではなく、

ターゲットとする人が好きか嫌いかで

判断しましょう。


難しいけど、重要なポイントです。