引き際の見つけ方。


気になる記事を見つけました。


金融機関の不動産業向け融資が高水準で推移

しているという記事です。


記事によれば、国内銀行の2014年度の新規貸

し出しは10兆円を上回り、バブル絶頂期の

1989年度やミニバブルと言われた07年度の

水準にほぼ並んだとのこと。


金融庁は、融資の焦げ付きなどで各地の地方

銀行や信用金庫の経営に影響を与える恐れが

ないか、監視を強めているそうです。


日銀の統計によると、14年度の不動産業向け

の設備資金の新規貸し出しは、銀行が10兆

1549億円と7年ぶりに10兆円を超え、信用金

庫も2兆1002億円と初めて2兆円を突破しま

した。


大手行では、都心の物件に投資する大手の再

開発業者や不動産投資信託(REIT)向け融資

がけん引。これに対し、地銀や信金は個人の

資産管理会社など中小向け融資の伸びが高い

のが特徴です。


地銀・信金の不動産業向け融資の増加の背景

には、今年から相続税が増税された影響があ

り、地方の県庁所在市を中心に「相続税対策

で賃貸用のアパートやマンションを建設する

ニーズが増えている」(有力地銀)といいま

す。


日銀の大規模金融緩和で超低金利が続く中、

利ざやを稼げる有望な貸出先が少ないこと

も、地銀を不動産向け融資に走らせる要因に

なっているようです。


現在、多くの建売業者さんがアパート建設に

手を染めています。正直、本業そっちのけで

アパートを販売している業者さんも少なくあ

りません。


もちろん、それで儲かっているのですから問

題はありませんが、あくまでもそれは副業だ

ということを忘れてはいけません。


時流に乗るのは大切です。

業界全体が潤う時流ですから、

乗るのは悪いことではありません。


ただ、いつまでその時流に乗るかは、

よく考える必要があります。


私は30年ほど不動産業界に携わっていますが

過去に2度、今回のような不動産投資バブル

を経験してきました。


バブルの中にいると、その繁栄は一生続くと

思えるのですが、後から振り返ると幾つかの

転機があったことがわかります。


転機と言うより、引き際と言ったほうがいい

かもしれません。


それが、税制と融資の変わり目です。


不動産投資バブルを弾けさせるのは簡単で

す。税制を少し変える、融資を少し抑える、

それだけでバブルは崩壊します。


そして、その前兆は小さな発表に隠されてい

ることが多いのです。


今回の記事がそんな発表かどうかはわかりま

せん。ただ、ひとつの警鐘だとは思えます。


何事も引き際が肝心。

儲かっている今こそ、引き際かもしれませ

ん。ご注意ください。