カールに学ぶ、自社の強みの見つけ方。

明治が7月にリニューアルしたスナック菓子

「カール」が売れているそうです。

 

「カール」は1968年に発売したロングセ

ラー商品。ピークは2000年代初頭で、

ここ10年は微減が続いていました。

 

そのため、売り上げが落ち始めた2005年

頃から本格的に挽回策を練っていたと言いま

す。

 

最初にはじめたテコ入れ策は、商品数の増加

でした。売り場に並べるため「のりわさび」

など新しい味を次々と投入し、定番品と合わ

せ売り場を拡大していったのです。

 

ただ、このやり方は、短期的な効果はありま

したが、長くは続きませんでした。

 

そこでついに、定番品のテコ入れをすること

になったのです。

 

「何を変えるべきか。」

 

社内では、「食感がもっさり」「ポテトチッ

プスといった他のスナック菓子に比べ味が淡

泊」ということが不人気の理由だと考えられ

ました。

 

そして、それが間違っていないか消費者の声

を集めたのです。

 

カールのどこが好きかを、グループインタビ

ューを通して100人以上に聞きました。

 

そこで集まった声は社内の想定とは真逆でし

た。「ふんわり軽い食感がいい」「あっさり

とした味が好き」という声ばかり。

 

他のスナック菓子に比べて弱いと想定してい

た点がカールの魅力になっていたのです。

 

これで、方向性が決まりました。

軽い食感をより生かし、しつこくない味わい

の生地に仕上げる。

 

そこで、サクサクと軽い生地の食感を生かす

ため、製法を改良しました。カールしている

生地の内側を少し削り、くぼみを作ったので

す。

 

これにより、生地がより軽くなりサクサク感

が高まりました。

 

次は味。カールは生地に油や調味料をスプレ

ーで吹きかけて味をつけます。

 

そこで、しつこさをより減らすために油の配

合量を減らしました。食感と味の両面で再発

見した商品の強みを前面に出すようにしたの

です。

 

結果は、9月までの3カ月間の出荷数は毎月

1割以上、前年同月を上回る好結果につなが

ったと言います。

 

商品が売れない時、ついつい私たちは自分で

売れない理由を考えます。

 

それはそれで間違いではないのですが、大き

な決断を下す時には慎重になる必要がありま

す。

 

今回のカールがいい例。

自分たちが弱みだと思っていたことが、実は

強みだったのですから、お客様の声を聞いて

いなければ、大きな間違いを犯すところでし

た。

 

お客様の立場に立って考えろ、とはよく言い

ますが、実際に売主がお客様の立場に立って

考えるのは容易ではありません。立っている

ようで立てていないのが現実です。

 

お客様の生の声を聞く習慣をつけましょう。

お客様に気軽に相談できる関係を築きましょ

う。それが売れ続ける建売業者になるための

第一歩です。