仲介業者の力が落ちた本当の理由。

 

最近、不動産仲介業者の力が弱くなってきた

という話をよく聞きます。

 

以前は圧倒的な力を持っていた仲介業者と

いうのがどの地域にもあったものですが、

最近はそんな業者や担当者が少なくなって

きました。

 

実際、年間200戸近く販売する建売業者さん

に聞いても同じような反応。

 

「ここが強い、という業者は少なくなりまし

たねぇ・・・。年間、1〜2件という業者が

ほとんどですよ」とのこと。

 

これは特定の地域の話ではなく、

全国的に同じ傾向があるようです。

 

では、なぜ不動産仲介業者の力が弱くなった

のか?ということですが、

 

それはひとえに、「説得営業」が効かなくな

ってきたからです。

 

それについて、IMC(統合マーケティングコ

ミュニケーション)の父とも呼ばれるドン・

シュルツ教授が興味深いことを言っています。

 

ドン・シュルツ教授によれば、

「デジタル化によって顧客が急速に進化して

いる」ことが原因だと言います。

 

「これまで企業のマーケティング担当者は

自分の方が顧客よりも頭が良いと思っていた

かもしれないが、デジタル技術の進歩により

顧客の得られる情報量や知識量は飛躍的に

進化した。もはや企業は顧客をリードして

いない。我々が顧客をフォローするのであ

る。しかも現在の顧客の変化は企業の変化

よりもずっと速い」

 

「例えば57%の顧客は、ネットの検索などを

通じて学習し、営業担当者に会う前に既に

答えを決めているという調査結果がある。

 

昔の営業担当者は顧客を『説得』するために

存在したが、もはや説得は不可能と考えた方

が良い。

 

営業担当者は売り込みをするのではなく顧客

の相談相手にならなければならない。もはや

コマンド&コントロールのマーケティング

時代は終わったのだ」

 

まさに、今、不動産業界で起きていること。

 

説得型の営業マンがどんどん売り上げを落と

しているのは、営業マンの力が落ちたのでは

なく、お客様の情報量が増えたからです。

 

もちろん、中にはまだ説得して売ることが

できるお客様もいます。

 

但し、それは全体の約43%。

 

簡単に言えば、説得型の営業方法で落とせる

お客様が約半分に減ったということです。

 

それに気づかないと広告宣伝費は増えるばか

りで、契約は半減するということ。泥沼に陥

っていくということです。

 

では、どうしたらいいのか?

 

大切なのは、説得ではなく相談相手になるこ

と。相談しやすい関係をネットやその他の

方法を通じてお客様と築くことです。

 

あなたはお客様から相談してもらえるような

ビジネス環境を築いていますか?

 

これからの勝ち組は

そんな環境を作り出した会社ですよ。