商品企画の落とし穴。

個人的なことで恐縮ですが、

以前私は、不動産会社と一緒に輸入カーテン

専門店を経営していたことがあります。

 

カーテン販売なんてしたことがなかったので

すが、たまたま雑誌で読んだフランチャイズ

募集にまんまと引っかかってしまいました(笑)。

 

最初は、節税対策の副業ではじめたのです

が、これが予想外に費用がかかってしまい

副業とは言えない状態に。

 

その上、加盟したフランチャイズも怪しい会

社だということが判明。投資した金額だけで

も早く回収しなければ、ということで私が経

営することになったのです。

 

まあ、ド素人ですから何もわかりません。

頼りにしていたフランチャイズも蓋を開けて

みれば超のつくいい加減な会社。結局、自分

でゼロからカーテン屋をはじめるのと同じで

した。

 

数千万の不動産から数万円のカーテンの販売

は、カルチャーショックの連続。必死に勉強

して、必死に売っても利益は数万円。途中で

何度も投げ出しそうになりましたが、今から

思えばあの時にマーケティングを学んだのが

現在の自分に結びつくわけですから、人生は

わからないものです。

 

そんなカーテン販売も1年ほどは苦労しまし

たが徐々にコツがわかってきました。経営も

順調になってきたところで、少し調子に乗っ

たのでしょう。自分で商品を仕入れに行くよ

うになったのです。

 

商品選びは実は、楽しい作業。

ましてや自分で選べるとなるとテンションは

上がります。ドヤ顔で選んできた商品だった

のですが、売れ行きはさっぱりでした。

 

理由は、私の好みの柄ばかりだったからで

す。カーテンの柄には、男柄と女柄がありま

す。男性が好む柄と女性が好む柄ということ

なのですが、素人が選ぶとそれぞれの好みが

出てしまうのです。

 

私の場合は、男性ですから男柄。

男性には好評ですが女性には不評。

買いに来る人は主に女性。

夫婦で来ても主導権は女性ということが多い

ため敬遠されてしまいます。

結果、・・・売れない。それが当時の自分に

はわからなかったのです。

 

それがわかってからは、仕入れ担当は女性ス

タッフに任せるようになりました。私の好み

とは随分違いましたが、売上はV字回復。

いい教訓になりました

 

これと同じようなことは建売住宅でもよく見

かけます。社長が全てを決める会社では、ま

るで社長の自宅?というような趣味の家もあ

ります。

 

ただ、そんな家が売れるのかというと必ずし

もそうではありません。アラフィフ(50代前

後)のつくる家はアラフィフには認められて

も30代には人気がありません。

 

大切なことは、購入世代の趣味に合わせるこ

と。自分の好みで家をつくらないことです。

 

これって、簡単そうで結構難しい問題。

自己満足に陥らないよう、商品化する前には

ターゲットとする世代に見てもらった方がい

いかもしれません。

 

ご注意ください。