たかが一言。されど一言。

 

面白い実験があります。

それは、あるホテルが経費を削減するために

リネン類のコストを下げようとした実験です。

 

その実験では、ホテルの宿泊客にタオルを再

利用してもらうため、通常の部屋の張り紙に

「環境のために再利用して下さい」と書き添

えました。

 

それだけでは大した効果が出なかったのです

が、張り紙の内容を、

 

「このホテルにお泊り頂いた方の宿泊客の大

半がタオルを再利用してくださっています」

 

とすると、

タオルの再利用は19%増加しました。

 

さらに、

「この部屋にお泊り頂いた宿泊客の大半が

 タオルを再利用してくださいました」

 

と変えると、

タオルの利用率は32%も増加したのです。

 

これにはある心理学のテクニックが使われて

います。

 

最初の、

「このホテルにお泊り頂いた方の宿泊客の大

半がタオルを再利用してくださっています」

 

という言葉の裏には、

他人と意見や行動を一致させたいという人間

の心理が利用されています。

 

さらに、

「この部屋にお泊り頂いた宿泊客の大半が

 タオルを再利用してくださいました」

 

という言葉には、

「この部屋にお泊り頂いた」と限定すること

で、人はより似ている他者と行動を合わせる

という心理をうまく利用しています。

 

このようにたった一言で人の行動を誘導する

ことができるのです。

 

これはセールスの世界では特に顕著です。

トップセールスマンと凡人セールスマンでは

同じ商品を同じタイミングで売っているのに

大きな差が生まれます。

 

もちろん、言葉以外のジェスチャーや話し方

や雰囲気などもあると思いますが、たった一

言の違いが大きな結果を生むこともあります。

 

その典型は、マクドナルドの

「ポテトも一緒にいかがですか?」

でしょう。一説にはこの一言で利益が倍増し

たと言いますから、その影響力は計り知れま

せん。

 

だとすれば、建売住宅の販売も同じ。

物件の説明にどんな言葉を使うかで売上は変

わってくるということです。

 

一番簡単な方法は、トップセールスマンが現

地でセールスする様子を聞くことです。了解

を得た上で、隠し撮りするのもいいかもしれ

ません。そして、その中から効果的だと思え

る言葉やフレーズを抜き出すことです。

 

そして、それを販売図面やチラシ、ホームペ

ージに利用することです。

 

たかが一言。されど一言。

たった一言に注意が払えるようになれば

必然的に売上は伸びます。

 

試してみてはいかがですか。