商品に惚れ込んではいけない。

 

苦労している建売会社に良くあること。

それは、社長が自社の商品に惚れ込んでいる

ことです。

 

一見すると、自社の商品に惚れ込むことはい

いことのように思えます。時には、美談とし

て語られることもありますが、実は、これに

は大きな副作用があります。

 

それは、冷静に判断できなくなる、というこ

と。自分の価値観を人に押し付けるようにな

るということです。

 

まぁ、社長というのはフツーの人とは感覚が

違います。ある意味フツーではない人が社長

をしているわけですから、そんな人が惚れ込

む商品もフツーではありません。

 

フツーではない商品を、フツーではない人に

売るのは、OKなのですが、

 

フツーではない商品を、フツーの人に売ろう

とすると、苦労するのは当たり前。

 

そこには、詳しい説明、なぜその商品がいい

のかという説明が必要になってきます。

 

要するに、売りにくくなるということ。

社長が惚れ込む商品は、一般的には売りにく

い商品が多い、ということです。

 

でも、それを社長は知りません。

自分の思いが強いため、人の意見を聞かな

い。そして、突っ走って壁に当たるわけです。

 

何を隠そう、私がそんなタイプ。

今はコンサルティングをしていますが、

もともとは不動産会社とインテリアショップ

の経営者。随分、商品に惚れ込んで失敗しま

した。

 

では、どうしたらいいのか?

 

答えは簡単です。冷静な意見をいってくれる

第三者を身近に置くことです。

 

コンサルタントでもいいし、

お金がなければ奥さんでもいいと思います。

 

とにかく、社長にズバッと本音をいってくれ

る人、冷静な意見をいってくれる人を身近に

置くことです。

 

それ以外に、暴走社長を止めることはできま

せん。

 

本来は、社内にそんな人がいることが望まし

いのですが、なかなかそんな優秀な人は中小

企業では望めません。

 

社長自身も、自分の意見に反対ばかり唱える

社員は好きになれませんし、仮に正しい意見

を言われても立場上、素直にいうことを聞け

ません。

 

それが人間です。

 

だから、商品に惚れ込む前に冷静な第三者の

意見を聞くことが大事です。

 

ポイントは、ココ。

惚れ込む前に検証すること。

 

本当に惚れ込んでいい商品なのかを、様々な

角度から検証すること。ありとあらゆる反論

を想定し、それを論破できるだけの商品であ

ることがわかった時点で惚れ込むことです。

 

そこのところくれぐれもお忘れなく。