たかがひと言、されどひと言。

 

以前見た、あるテレビ番組。

元ホテルマンがリタイア後、派遣会社に再就

職して老舗の旅館で指導に当たっていました。

 

タクシーが玄関に止まると、従業員が迎えに

出て、空いたドアに手を伸ばしてお客様の荷

物を受け取ります。

 

そして、ここで一言。

「お客様、荷物はこれでよろしいでしょう

か。トランクには入ってませんでしょうか。」

 

「ええ、これだけです。」

と、お客様が答えます。

 

何気ないやり取りに見えますが、

実はここが重要なポイント。

 

元ホテルマンが解説するには、

「もし荷物がトランクに残っていると大変だ

と思って声をかけてくれた、それだけでお客

様はこの旅館は自分の事を考えてくれる、そ

う感じるものです。」

 

そして、このひと言がその旅館に対するお客

様の親近感をぐっと増してくれるのだそうです。

 

タクシーから降りたお客様の荷物だけを受け

取るというのも、ひとつの方法です。

 

お客様に何も聞かないで、自分でトランクを

開けて、お客様が忘れた荷物がないか確認す

るのもひとつの方法です。

 

荷物を部屋に運ぶということだけで考えれば

あえてお客様に「お客様、荷物はこれでよろ

しいでしょうか。トランクには入ってません

でしょうか。」などという言葉をかける必要

はありません。

 

しかし、お客様との距離を詰める、親近感を

持ってもらうということを考えると、このひ

と言がとても重要になってくるのです。

 

「ひと言」といえばマクドナルドの

「ご一緒にポテトはいかがですか?」という

ひと言も重要です。

 

マクドナルドに行くとお馴染みのセリフです

が、そう言われると、じゃあポテトもと考え

る人は結構多いらしく、マクドナルドに莫大

な売上げをもたらしています。

 

ちなみに、マクドナルドの月間来店客数を

1億2,000万人とすると、そのうちの5%の人

がこの言葉でポテトを買ったとすれば、600

万人、粗利を30円と仮定すると、2億円近く

になります。

 

つまり、「ひと言」の使い方で、お客様との

親近感も利益も大きく変わってくるというこ

とです。

 

これはホテルや飲食店だけの話ではありませ

ん。建売住宅の販売も同様です。

 

自社の営業マンが販売をしているなら、どん

なセールストークをしているのかは検証する

価値があります。

 

余分なひと言を言っていないか?

重要なひと言を忘れていないか? 等々、

少し見直すだけでお金をかけずに成約率をア

ップさせることができます。

 

仲介業者さんへのひと言も同じ。

ねぎらいの言葉をひと言かけてあげるだけで

もあなたの会社の印象は変わってきます。

 

たかがひと言、されどひと言。

そんな簡単なことが、大きな違いを生み出し

ます。お試しください。