敵は社内にあり。

 

「会社の売上を伸ばすために必要なこと」

というと、まず思い浮かべるのが、

 

「いい商品を作ること」

「いい仕入れをすること」

だと思いがちですが、意外にももっと簡単な

方法があります。

 

それは、社内の人材を整備すること。

社長の意思が末端の社員にまで完璧に届くよ

うに風通しを良くすることです。

 

多くの社長は、思うように売れないのは、

物件のせいだと考えます。

 

価格が高いから、立地が悪いから、商品企画

を失敗したから・・・そんな風に思いがちで

すが、大抵は、それが原因ではありません。

 

コンサルタントの立場で言わせていただく

と、売れないのは、やるべきことができてい

ないから。

 

営業の原理原則に則った営業ができていない

から、ということがほとんどです。

 

では、なぜ営業の原理原則に則った活動がで

きていないのか、ということですが、

 

それは、社長の右腕と呼ばれるような古参社

員が営業の原理原則を知らないか、知ってい

たとしても昔の営業の原理原則で今は使い物

にならないものをやっているかの、どちらか

です。

 

実際、多くの会社を訪問して思うことは、

どんなに効果のあるマーケティング手法を紹

介してもできる会社とできない会社があると

いうことです。

 

全く同じノウハウを紹介しても、

ある会社ではすぐに効果が出るのに、

ある会社では一向に変化がない、

ということがよくあります。

 

昔は、地域性の問題、タイミングの問題、

果ては、ノウハウ自体が悪いのではないか、

と悩んだこともありましたが、

 

よくよく結果の出ない会社を見てみると、

紹介したノウハウ自体を真剣にやっていない

ことがほとんどでした。

 

本気で取り組んでも結果を出すには時間がか

かるのに、嫌々やっては結果が出ないのは当

たり前。

 

では、なぜ本気で取り組まないのか?

なぜ、売上アップに真剣にならないのか?

ということですが、

 

答えは、古参社員の嫉妬です。

 

嫉妬という言葉が妥当かどうかはわかりませ

んが、今まで社長の右腕としてやってきた社

員としては、コンサルタントが社長と仲良く

するのは気持ちいいものではありません。

 

自己重要感が損なわれる、とも言えるのです

が、自分のやってきたことが否定されると感

じるのでしょう。社長の意図とは別に、疎外

感を感じる人が多いのです。

 

もちろん、社長の意図を汲んでコンサルタン

トと一緒に必死になってやってくれる古参社

員もたくさんいます。

 

しかし、うまくいかない会社には、そんな古

参社員はいません。虎視眈々と社長の連れて

きたコンサルタントが失敗するのを楽しみに

している社員もいます。

 

社長の新しい経営方針に露骨に反発する人も

いれば、協力するふりをして仕事をしない人

もいます。サボタージュの方法はそれぞれで

すが、回避する方法は一つしかありません。

 

それは、社長が責任者となって新しい仕事を

管理すること。コンサルタントだけ連れてき

てあとは、古参社員任せということにしない

ことです。

 

新しい仕事の仕方は、社内に根付くまでには

時間がかかります。少し目を離せば、すぐに

昔のやり方に戻るのが人の常。だから、体に

染み込むまでは、社長がリーダーシップをと

って管理することが大事です。

 

あなたは、面倒なことを古参社員任せにして

いませんか?

 

忙しからは言い訳になりません。

社長が社長であるためには、古参社員をしっ

かり管理すること。それが社長の仕事です。