2030年の建売業界。

 

野村総合研究所が最新のレポートで、2016年

度から2030年度まで新設住宅着工戸数の予測

値を発表しました。

 

それによると、

2015年度に92万戸だった国内の新設住宅着

工戸数は、2030年度に約6割の54万戸にまで

減少するそうです。

 

実際、15年ほど前に120万戸超あった需要は

直近では3割減少しました。

 

今後、消費税増税前の駆け込み需要などで一

時的に市場が盛り上がったとしても右肩下が

りは変わらず、15年先には現在の6割程度の

市場規模になるだろうと予測しています。

 

しかし現実は、この54万戸すら危うい数字だ

といいます。なぜなら、住宅を建てる大工技

能者が不足するためです。

 

総務省の国勢調査によると2010年には大工が

約40万人おり、80万戸ほどの住宅を建ててい

また。(1人当たり年間2戸をつくる計算)

 

しかし、2030年に大工は15万人まで減ると

みられており、仮に、大工1人当たり2戸つく

るのが適正だとすれば、市場には年間約30万

戸しか供給できなくなります。

 

そのため、2030年度に54万戸を供給するに

は、大工1人当たりの生産性を現在の1.5倍に

上げる必要があるのですが、大工は現在でも

職人の高齢化が課題となっているうえ、若年

層の入職者も限られる世界。簡単に解決でき

る問題ではありません。

 

では、私たち建売業界の人間はどうしたらい

いのでしょうか?

 

きっと、多くの建売業者はこの予測を聞いて

も無視するだけでしょう。こんな予測なんて

当てにならない、という人もいるでしょう。

今までだっていろんな試練を乗り越えてきた

んだから何とかなるだろう、その時考えれば

いい、という人もいるでしょう。

 

しかし、本当に生き残りたいなら今から手を

打っておくことが大事。

 

マーケットの規模が現在の6割になるという

ことは、少なくとも4割の建売業者が淘汰さ

れるということ。

 

実際には、半分以上の建売業者が廃業を余儀

なくされるということです。

 

だとすれば、あなたの販売エリアで1位か2

位を争うような建売業者にならなければ生き

ていけないということ。そのための施策を今

から考え、実行していかないと生き残れない

ということです。

 

野村総研の未来予測を信じるか信じないかは

あなた次第。そして、今から準備するかしな

いかもあなた次第です。

 

さて、あなたはどうしますか?

 

『政治、社会、経済、企業のいずれにせよ、

およそ人間に関わることについては、未来を

予想してもあまり意味がない。だが、すでに

起こり、後戻りのないことであって、10年

後、20年後に影響をもたらすことについて知

ることには重大な意味がある。しかも、その

ようなすでに起こった未来を明らかにし備え

ることは可能である』   

            P.F.ドラッカー