得意なことを伸ばせ!の嘘。

いろんな場面で、「得意なことを伸ばせ!」

と言われます。

 

苦手なことをやるより、得意なことをやった

方が人生うまくいく、というような文脈で使

われることが多いのですが、私はビジネスに

関しては一概には言えないと思っています。

 

確かに、得意なことはやっていれば楽しいで

すから、結果も出やすいのは事実です。

 

しかし、それだけで結果が出し続けられるか

と言えば、ビジネスではそうはいきません。

 

飲食店で考えてみましょう。

美味しい料理を出すお店があるとします。

 

料理はピカイチなのですが、清潔感ゼロだっ

たとしたらこのお店は繁盛するでしょうか?

 

料理はピカイチでも、店員の態度が横柄だっ

たらこのお店は繁盛するでしょうか?

 

あるレベルまでは繁盛すると思いますが、

頭打ちになるのは目に見えています。

なぜなら欠点が放置されたままだからです。

 

簡単に言えば、ブレーキをかけたまま全速力

で走っている状態。これでは、どれだけアク

セルを踏んでも早くは走れません。

 

以前、ある建売会社の会議に出た時、社長が

もっと営業力を強化しろ!と社員にゲキを飛

ばしていました。

 

この会社の社長は、昔は天才的な営業マン。

どんなお客様からでも契約を取ってくるよう

な伝説の営業マンでした。

 

そのため、今の社員の営業力が歯がゆくてた

まりません。ことあるたびに「営業とは、」

を社員に説くのですが今時の社員には届きま

せん。

 

届かない最大の理由は、社員が自社の物件に

満足していないから。自社の物件に惚れてい

ないからです。

 

社員自体がこの家なら自分で買ってもいい、

という家をつくっていないからです。

 

それを社長はわかっていません。

つまり、欠点を放置したまま営業力だけで売

れと言っている状態。口八丁手八丁で売って

こいと言っているようなものなのです。

 

もちろん、そんな営業マンも世の中にはたく

さんいますから、そんな営業マンを採用すれ

ばある程度の売り上げは立つでしょう。

 

しかし、この会社がそのやり方で繁栄し続け

られるかと言えば私は疑問だと思います。

 

ビジネスはバランスです。

バランスの崩れて部分を放置しておけば、

いずれ倒れるのは目に見えています。

 

だから、まずバランスの崩れているところを

標準レベルまで直すのが先決。そのあとで得

意な分野を伸ばせばいいのです。

 

あなたの会社はバランスが保たれています

か?苦手だからと言って放置していることは

ありませんか?

 

業績を立て直すには、苦手な部分から直すの

が定石。お試しください。