成功体験は捨てろ!

 

ビジネスとは不思議なもので、昨日までと同

じことをしていても、ある日突然、売れ出す

ことがあります。

 

正直、私も仲介会社を経営していた時、

そんなことを経験しました。

 

今から考えても不思議なのですが、

どれだけチラシを配っても、オープンハウス

をやっても売れなかった仲介会社が、ある日

突然、バンバン契約が入るようになったので

す。

 

それと同じようなことが、建売業者さんにも

よく起こります。今まで売れなかった建売住

宅が、特別変わったことをしていないのに急

に売れ出す。

 

私もそうでしたが、多くの人は、それに気づ

いた瞬間、「今までの努力が報われた」

「やっと軌道に乗った」と思います。

 

しかし、これは本当の成功ではありません。

はっきり言えば、時流に乗っただけのこと。

本当の実力がついたわけではありません。

 

ここがビジネスの面白いところですが、

まあ誰でも、そこそこ努力をしていれば、

ご褒美がもらえる時が来るということです。

 

問題は、そのご褒美をどう使うか。

実力だと思って慢心するか、

これはたまたまだと思って更に努力するか。

 

もちろん、ビジネス意欲のある人は、更なる

高みを目指してビジネスを拡大するのです

が、途中で大きな落とし穴にハマることにな

ります。

 

それが、時代の変化です。

 

そもそもその成功は、時代の風にうまく乗れ

たから。本人の努力とは別の部分が大きかっ

たわけです。

 

しかし、時代は変化します。

当時主流だった考え方も、価値観も、

時代と共に変化します。

 

するとどうなるか?

当時のやり方が通用しなくなるのです。

 

もちろん、それなりに新しい時代には適合さ

せていますから、一定の成果はあります。

 

しかし、ある時を境にその成果が急激に出な

くなってくるのです。

 

それが今の50代から60代の経営者。

昔、一世を風靡した建売業者さんを襲ってい

るビジネス上の病気です。

 

解決策は、簡単です。

自分のやり方が時代に合っていないことを認

識すること。そして、新しい時代に合わせた

やり方を学ぶこと。たったこれだけです。

 

簡単なことなのですが、過去の成功体験がこ

れを阻みます。頭ではわかっているのですが

今までの自分を否定されたような気になって

素直に受け止められないのです。

 

もちろんこれは、今売れている経営者にも言

えます。今売れているのは、時流に乗ってい

るだけなのか、そうでないのかを冷静に見極

める必要があります。

 

どちらにせよ、時代は変化します。

売れる基準も買う人の価値観も時代によって

大きく変わります。だから、過去の成功体験

に囚われていてはいけないのです。

 

「生きる」とは「変わる」こと。 

              P.ドラッカー

 

変われる人だけが生き残れます。