4LDKは必要ですか?

 

建売業界には4LDK信仰があります。

建物の間取りは4LDKにしないと売れないと

いう信仰です。

 

そのせいか、どこの間取りを見ても同じよう

な間取りばかり。無理矢理4LDKにした間取

りも少なくありません。

 

4LDKが好まれる理由はいろいろあります。

 

まずは、5人家族。夫婦2人の寝室に、子供

3人の個室を叶えるには4LDKが必要だから

です。

 

これは4人家族でも同じ。夫婦の寝室に子供

2人の個室、そしてご主人の書斎を叶えるに

はこれも4LDKが必要です。

 

なかには、将来、親と同居するかもしれない

からと、ひと部屋余分に取っておきたいとい

う人もいます。

 

日本には「大は小を兼ねる」ということわざ

があります。

 

大きいものは小さいもの代用として使える。 

小さいものより大きいもののほうが使い道が

広く、役に立つということですが、この「こ

とわざ」も4LDK信者の精神的なバックボー

ンになっています。

 

もちろん、4LDKが取れる十分な広さがあれ

ば問題ありません。ただ、そんなケースは

稀。どちらかというと、必死に4LDKをつく

るケースがほとんどです。

 

問題は、部屋数を多くした方がメリットが大

きいのか、部屋数を少なくした方がメリット

が大きいのか、ということ。

 

部屋数が少ない方がメリットが大きければ

4LDK信仰はやめるべきです。

 

そこで知っていただきたいデータがありま

す。それは、日本の世帯人員別に見た世帯数

の構成割合です。

 

1953年から2013年までのデータが最新です

が、これを見ると4人世帯は1970年代後半を

ピークに年々減少を続け2013年には、13%

程度にまで下がっています。

 

5人世帯は統計を取り始めた1953年から毎年

下がり続け、2013年には6%程度、6人以上

の世帯にいたっては、1953年当時約40%あ

った世帯が2013年には3%程度にまで落ち込

んでいます。

 

その一方で増え続けているのが3人以下の世

帯。3人世帯は、2013年でおよそ19%、2人

世帯にいたっては、およそ30%にまで達して

います。

 

もちろん、地域によってその割合は違ってき

ますが、顕著なのは東京や神奈川などの首都

圏。このエリアこの結果より更に上をいくこ

とでしょう。

 

つまり、現実の世の中は、4LDKを欲してい

る人はそんなに多くないということ。3LDK

でも2LDKでも、下手すれば1LDKでも購入

してくれる人はたくさんいるということです。

にもかかわらず、4LDK信仰が廃れないのは

経営者の思い込み。自分の生まれた時代の印

象が強すぎて、そこから離れられないのです。

経営者にとって必要なことは、現実を素直に

受け止めること。つまらないこだわりを持た

ないことです。

 

「生きる」ことは、「変わる」こと。

会社の発展には、思い込みを変えることが

大切ですよ。