社員を多能工化しろ!

 

これからの時代、中小の建売業者が生き残っ

ていくために取り組まなければいけないこと

のひとつに、営業力の強化があります。

 

営業?と聞いただけでアレルギー反応を起こ

す人が多いのですが、残念ながら営業力の有

無はこれからの建売業者にとってはキーポイ

ント。これがあるかないかで、企業としての

安定度は大きく変わってきます。

 

その理由は、建売業界の規模が縮小の時代に

入っていくから。市場が飽和状態になってい

くからです。それを打開するには、売り切る

力が必要になります。

 

実際、すでに現在でも営業力のある会社とな

い会社では、売れ行きに大きな違いが出てい

ます。

 

安定感があるのは、営業マンを抱えている会

社。営業マンのいない会社は、景気の影響を

モロに受けてしまうため、会社が安定しませ

ん。

 

しかし、営業部を持ったことのない建売会社

にとって営業マンを雇うのはリスクがあります。

 

社長自身が営業の経験がなかったり、仮にあ

ったとしても営業部を管理するのは簡単では

ありません。

 

では、どうしたらいいのか?

 

一番簡単な方法は、社員全員で営業を兼務す

ることです。

 

要するに仕入担当者から、工事担当者、事務

員、社長自らが営業すること。

 

社員を多能工にすることです。

 

生産・施工の現場において、1人が一つの職

務だけを受け持つ単能工に対し、1人で複数

の異なる作業や工程を遂行する技能を身につ

けた作業者のことを「多能工」と呼びます。

 

要するに、社員に営業力を身につけさせて活

動の幅を広げること。そうすれば新しい人材

を雇わなくても今の人材で対応できるように

なります。

 

実際、これはホテル業界などではすでに採用

されている方法。ホテル業界の最大の問題は

朝と夜に仕事が集中し、昼間は暇になってし

まうこと。

 

それを改善するために採用されたのがスタッ

フの多能工化。スタッフがホテルの中のすべ

ての技能を身につけ、少人数で対応できるシ

ステムをつくったのです。

 

それを建売会社もやるべきです。

ただ、ここで安心して欲しいのは営業と言っ

ても昔ながらの、ゴリ押しするようなガツガ

ツした営業は必要ないということです。

 

今どきの営業は、「おもてなし」。

これが最先端です。

 

売り込もうとすればするほど売れないのが

今の時代。昔ながらの営業マンが凋落の一途

を辿っているのはそれを知らないからです。

 

だから、建売業者さんがやるのは昔ながらの

営業マンと真逆の営業。

 

お客様に売り込まない。

お客様から嫌われない。

好かれることだけを考えたおもてなしです。

 

これなら営業未経験の社員でも十分できま

す。完成物件なら掃除をして、音楽を流し

て、来場者にお茶を入れる。そして質問され

たことにだけ答える、そんな営業で十分です。

 

あなたの会社も社員の多能工化はじめてみま

せんか?驚くほどの効果、ありますよ。