建売業界には、「家は建ててから売るもの」
という常識があります。
実際に完成した家を見せて売る、ということ
ですが、一見正しい常識のように思えますが
リスクもあります。
最大のリスクは、
値下げ圧力にさらされること。
完成物件は売りやすいと思われがちですが、
完成した時がその物件の旬の時期。旬が過ぎ
れば鮮度は日に日に落ちていきます。
タイミングよくお客様が見つかればいいので
すが、タイミングを逃すと販売期間は伸び、
値下げ圧力にさらされることになります。
要するに、タイミングよくお客様を見つけら
れるかどうか、が全てなのですが、
タイミングよくお客様を見つけるには、
事前の活動が重要になってくるのです。
そもそもお客様(消費者)は購入を決定する
までに5つの段階を経ます。
物件(商品)を見てすぐに購入を決定する訳
ではありません。とりわけ、高額商品ではそ
の傾向が強く、そこを理解しないとみすみす
タイミングを逃すことになりかねません。
では具体的に5つの段階を説明しましょう。
①問題の認識
②情報の探索
③情報の評価
④購買決定
⑤購買後の行動 という5段階です。
この5段階モデルの特徴は、消費者が商品を
実際に購入するかなり以前からスタートして
いることや、商品の購入後も長期間にわたっ
て影響を及ぼす点にあります。
では、具体的に各プロセスについて見て
いきましょう。
①問題の認識
消費者が、ある刺激により商品に対するニー
ズを感じた段階を指します。例えば、友人が
購入した家を見て自分も欲しくなるなどの段
階です。
②情報の検索
次は、ニーズ発生後にそれに関して、より詳
しく知るために情報収集する段階です。チラ
シやインターネットなどで情報収集するのが
一般的です。
③情報の評価
そして、入手した情報について比較検討を行
い、代替商品の検討を加える段階です。本当
にこの物件でいいのか、他にもっといい物件
はないのか見当する段階です。
④購買決定
次が、比較検討段階を経て商品の購入を決定
する段階です。なお購買決定時には、購買者
の意志に関わらず、他者の意見や評価といっ
た購買阻害要因の影響を受ける場合がありま
す。
⑤購買後の行動
消費者は、商品購入後に満足か不満足を経験
します。満足した場合には次回も同じ商品を
購買したり、知人に使用結果を伝えたりしま
すが、不満の場合には商品の返品、商品価値
を高めるための情報収集などの行動に出ます。
高額商品の場合、①から④までの期間は早い
人で1か月。通常は3か月程度かかります。
(1年以上という人も珍しくありません)
つまり、3か月前にはお客様に物件の存在を
認識させておかないといけないということ。
そうしないと、完売時期が遅れるということ
です。
大手不動産会社が予告広告を打つのはそれを
知っているから。マンション会社が頻繁にチ
ラシを入れるのもそれをわかっているからです。
大切なのは、仕掛けるタイミング。
早ければ早いほど完売期間は短くなります。
そこのところくれぐれをお間違えなく。