他業界の成功事例は宝の山。

 

仕事柄、急成長している会社の戦略には興味

があります。

 

なぜ、この会社はこんなに短期間に急成長し

たんだろう?とその解説をした記事などは貪

りつくように読んでしまいます。

 

実際、自分でも急成長した会社を分析するこ

とがあるのですが、誤解を恐れずに言えば、

どこも大したことはやっていません。

 

誰でもできるけど、競合がやっていないこと

を実直にやっているだけ。それだけで急成長

している会社が少なくありません。

 

典型的なのは、他の業界で成果の出ているや

り方を自分の業界に応用してやるという方法。

 

他業界では当たり前のやり方なのに、

自分の業界では誰もやっていない、

もしくは、十分に活用されていないやり方を

やるということです。

 

実際、私も今から30年ほど前にこのパターン

を経験しました。当時、私が新卒で入社した

会社は某マンションデベロッパー。

 

独立系の会社で東証一部に上場はしていまし

たが、かなり荒っぽい会社(笑)。強引な営

業で知られる会社でしたが、その業績は他を

圧倒。瞬く間に日本一のマンション供給量を

誇る会社になっていました。

 

そんな会社の最大の特徴は、電話営業。

今でいうテレアポです。

 

私が入社した頃にはすでに伝説の営業方法と

なっていましたから、その歴史は40年以上と

いうことになるのでしょう。ライバル企業と

は唯一といっていい違いでした。

 

もっとも電話営業自体はこの会社が発明した

ものではありません。他業界ではすでにメジ

ャーになっていたやり方です。

 

しかし、それをマンションデベロッパーでや

っている会社は皆無でした。

 

そうです。他業界では当たり前のやり方で、

自分の業界では誰もやっていないやり方を

導入したのです。

 

正直、当時はバカなやり方だとバカにされて

いました。働いている私たちですらそう思っ

ていたのですから、同業者は信じられなかっ

たと思います。

 

しかし、結果は・・・。

これが売れたんです。

 

もちろん電話でマンションを買うという人は

いません。しかし、電話でマンションに興味

がある人を探すことは可能です。

 

電話でマンションに興味のある人を探す。

そして、週末にモデルルームを案内するアポ

イントを取る。そしてモデルルームでクロー

ジングする。この流れを作るのです。

 

あれから30年。

今でもこのやり方は効果があります。

当時と比べると威力は落ちましたが、それで

もまだまだ通用するやり方です。

 

つまり、一度他業界でうまくいっているやり

方で、自分の業界ではあまり利用されていな

いやり方で成功すると急成長するだけでなく

長期間成長できるということ。他業界の当た

り前の中に大発明が隠れているということです。

 

あなたも他業界の当たり前を見直してみませ

んか?大発明が隠れているかもしれませんよ。