まずは黙って聞くことからはじめよう。

 

コンサルティング業務の中で、意外という

か、最も効果が大きいのが人材教育です。

 

理由は、どんなに効果的なノウハウを伝えて

もそれを実行に移すのは社員だから。

 

社員が納得して、意欲的に取り組んでくれな

い限り、どんなノウハウも効果は発揮されま

せん。

 

そこで重要になってくるのが、

社員が会社に対してどんな感情を持っている

か。社員が抱える悩みや不満を聞き出すこと

です。

 

どれだけ社長がはっぱをかけても、会社に対

して悩みや不満がある社員は真剣にはなりま

せん。せいぜいやっているフリをするだけ。

 

古参社員になればなるほど巧妙にサボタージ

ュします。

 

では、どうすればいいのか?

一番いいのは社長ではない第三者が社員の悩

みや不満を聞いてあげること。これが一番手

っ取り早く効果的です。

 

先日もあるクライアントの地方支店にお邪魔

したのですが夜はもっぱらこの作業でした。

 

つまり、社員の愚痴聞き係。

お酒の力を借りて社員の方の抱える悩みや不

満を聞くのですが、まぁ、新入社員から古参

社員まで、とめどなく出てきます(笑)

 

事前にそれぞれの社員の方のプロフィールや

抱えているであろう悩みは社長から伺ってい

るのですが、本人と面と向かって話をすると

随分印象が違います。

 

はっきり言うと、

問題は社員ではなく社長にある、というこ

と。社員の抱える悩みや不満の原因は社長に

あることがほとんどです。

 

一番大きな原因は、社長が社員の話をじっく

り聞いて上げていないということ。

 

社員の言い分を聞く前に、社員を説得しよう

とすることです。

 

だから、認められていない、大事にされてい

ないという感情が生まれてしまうのです。

 

社長からすると、そんなこと・・・というよ

うな内容も多いでしょう。説教したくなる気

持ちもわからなくはありません。

 

しかし、社員も一人の人間。

どんなに社長のいうことが正しくても、話を

聞いてほしいというのは正しい感情です。

 

それをいきなりそうじゃないんだ、と否定さ

れてしまっては感情の行き場がなくなりま

す。結局、黙って自分の中で押し殺してしま

うか、最悪は会社を去ることしかありませ

ん。そうなればお互いにメリットがないだけ

です。

 

もちろん、社長と社員が本音で話し合うとい

うのは簡単ではありません。どうして感情と

感情がぶつかりあってしまいます。売り言葉

に買い言葉のような場面もありますから、で

きれば第三者に間に入ってもらうのがいいで

しょう。

 

お互いの気持ちをオブラートに包んで伝え合

うことが大切です。

 

それさえできれば、会社の抱える問題は大抵

は解決できます。あいつは役に立たないと言

っていた社員が意外な才能を発揮するという

ことはよくあります。

 

まずは社員の言い分を聞くことからはじめま

しょう。反論せず聞くことからはじめましょ

う。それだけで会社は大きく変わります。

お試しください。